アートの広がり

とある施設では参加されているシニアの方達の作品を施設内の廊下や壁などに
丁寧に展示をしています。

それは施設で働いている職員の方達、訪問されるご家族の方なども
作品に触れることが出来る素敵な小さな美術館のようです。


「どうやったらあのような作品が出来るの？」
「私達もやってみたい！」

そんな声が職員の方達から挙がっていると耳にしました。

この施設では以前にも職員の方向けにアートセラピーって何？
高齢者にどういいの？というレクチャーを含め、
アートセラピーを体験して頂いた事があります。

今回はレクチャーは抜きでシニアの方達が味わっているような
アートワークを体験して頂く事にしました。


音楽で沢山遊んでいただいた後に
じっくりと自分の作品に取り組んで頂きました。

落ち葉・ビーズ・毛糸・羊毛・羽・などなど
沢山の素材を見るだけでもうれしそう。

みなさんのあまりの集中振りに時間も延長してしまうほど・・（笑）


参加された方のお一人がその日は本当に忙しくて疲れていたのに
帰りにこのアートワークをやって物凄くスッキリされたそうです。

また初めての参加でちょっと緊張気味だった方も
あれよあれよと笑顔に変わっていく。

これはいつ見ても不思議だなぁ。。。と思います。

素材がその人の内側に何かを刺激し、何かを引き出してくれる。
それを自由に使い、そして自由に自分の好きな所に配置出来る。

それが笑顔に繋がり、そして達成感や時にスッキリしたというものに
繋がっていくのでしょうね。


介護の仕事はとても価値のあるお仕事ですが、反面とても大変なお仕事です。
人に触れる。人を思いやる。
いつもどこでも、出会う施設の職員さんの働く姿勢には
心が打たれます。

時にそんな介護のお仕事をしている方の辛い事件を耳にする事があります。
その仕事を始めたときは、どんな仕事でもそうですが、
夢や希望に満ちて第一歩を踏み出して、その姿はきっと沢山の方に
生きる力や喜びを与えていただろうに・・・と。

そんな時にいつも私は思います。

あああ、どこかで思いを吐き出せていたら・・・と。




シニアの現場ではこのように、シニアのみなさまをはじめ
このように、シニアに関わる施設の皆さんにもアートワークを実施しています。
（場所によっては、ご家族が参加する所もあります）


この現場、この後素敵なお話が舞い込んできました。

「僕もやりたいです」

これは施設長さんの言葉です。

どうやら、今回参加された職員の方がアートの素晴らしさを報告されたとか・・

うれしいですね！！

もちろんここでは今後職員さん向けに定期的にやっていけるように
お話しを進めて行く予定です。


ゆっくりゆっくり
アートが広がっていっています。


written by Yoko