こんにちは。シニア担当のYokoです。
桜・・・綺麗でしたね。
東京の桜は昨日の雨で随分と散ってしまいましたね。
東北にゆっくり桜の便りが届いたとの事。。
今年の桜を東北の皆さんはどんな想いで愛でるのでしょうか。。
お花見らしきしたものをしていなかったので、先週前半に近所の公園に出かけました。
桜を見る・・・そう、自然と見上げる。
ところが、この日私は違いました。
公園に行くまでの道ばた。私の目に飛び込んで来たものは小さなタンポポでした。
こんな道ばたにタンポポが! 驚きました。
そうして桜そっちのけで道ばたをよく見ていると沢山の草花が力一杯咲いていたのです。
「春の力」
墨と絵の具を使って草花や自然が持つ 伸びる力 咲かせる力 生きる力
皆さんに自分のそんな力と出会うワークを行いました。
ペンキの刷毛を使って真っ白なテーブル一杯の障子紙の上で
腕を大きく動かしたり、肩を大きく回して円を描いたり、手首を回して小さく動かしたり
まずは「刷毛体操」です。
これから描いて頂くための、画材を使っての準備体操。
そうして墨を付けて、先ほどの体操と同じようにまずは下から上にぐーーーんと筆を走らせる。
もう一本ぐーーん。
すると・・・・・なんと普段介護用歩行器を使用している95歳の女性
まるでほんとうに草花が伸びていくように
”立ち上がって”描き出しました。
シニアワークで出会う。うれしい瞬間です。
女性はテーブルの端っこまでぐーーーーーんと力強い線が何本も。
そして墨の後に春の色合いを絵の具で付けて頂きました。
墨をついている刷毛でそのまま描くという事に抵抗を感じる方もいたようでした。
その点はちょっと私の準備不足
ですが、皆さん紙に絵の具をぐいっと出して、その絵の具を刷毛で伸ばして楽しまれる方
また絵の具を直接出してまるで油絵のように描いていく方
点 点 点と刷毛で楽しそうに色を付けていく方
私が思い描いていた様子とは異なり、皆さん道具と画材を自分なりに工夫して感じるままに描いていました。
「兆」
筆の重なり具合と墨の色合いのバランス
まるで空から光が指し、大地に何かを届けているような作品です。
一言「兆し」と男性はおっしゃいました。
何かが起こるような。そんな春の兆しを感じられたのかもしれません。
「萌」
普段はあまり大きな腕の動きをされない女性です。
この日は刷毛を楽しまれたご様子
作品に現れた力強さ
ワークの後にフロアにお持ちするとニコニコ顔で作品を見入っていました。
「タイトルなし」
具象が好きな男性です。
この日は体調があまり優れなかった事もあり、ご本人が思うように描けなかった様でした。
だけれども誰よりも色数が多く、金色の幹が上へ上と伸びゆき、その周りを葉や花が咲きだしている
深みのある春の力 そんなものを私は改めて作品を見て感じます。
「春の力」
これまでの皆さんは大きく描いた紙面の中から一部を切り取り作品に仕上げましたが、
この女性は一言「このままがいい」そうおっしゃいました。
この作品横120cmくらいあります。
認知症が進んでいる女性ですが、刷毛を自在に操り誰よりも力強く 伸びやかに 紙面いっぱいに描きました。
しかし、しばらくすると・・・
「何を描いているのかわからなくなっちゃったわ」
そういうと、しばらく立ち上がって他の方の様子を見学
そうしてまた自分の所に戻り、再び描き出す。
数回繰り返されていました。
実はこのような様子は注意が必要です。
色が重なりあって行く事でその世界に引き込まれてしまう可能性があり、
認知症の方の場合、自分は今何をしているのか? その事が一瞬でわからなくなり、
不安や怒りに変わってしまう事もあるのです。
この女性が歩き出すという行為は、もしかするとその事から無意識に離れ、現実に戻る事をしているように思います。
また私たちもそのような場合は、話しかけたり、少し作品から離れてもらったりするように 意識を外に向けるような関わりを持ちます。
この日からシニアのサポートにはじめて参加した仲間がこの切り取らないという作品に感激していました。
自身も介護の仕事をしており、施設では様々なアクティビティが行われているという事でした。
やはりいつの間にか「時間」「仕上げ」等 主役がシニアの方ではなくなってしまう
そんな葛藤がある。アートセラピーを学んでいればいるほど悩みます。
わかります。 私もデイサービスで勤めている時のアクティビティにどれだけ驚いたか!
そしてそれがどれだけ悲しかったか!
だから「このままがいい」
その人の望みの通り仕上げます。
これが今この方が持つ「力」そのものであり、そこに「いや、ここがいいですから切り取りましょうよ」と
言ってしまう事は、私が悲しいと感じた事そのものになってしまう。
何よりも、その方の大切な表現するという力をそのままに丸ごと承認する。
私たちのアートセラピーで一番大切にしている事です。
この日は天井に沢山飾られた見事な桜のディスプレイがあるフロアでした。
(このフロアの季節毎のディスプレイは見事なんです)
ワーク後に席を立とうとしたこのダイナミックな描画をした女性に
「まるで天井の桜が湖に映し出されたような作品ですね」
そうお伝えしました。
「また先生お上手ね。だけれどもほんとうに表現があなた素敵よね」
と、なんだか私が褒められちゃいました。
その言葉を伝える女性の顔にはいつも以上の笑顔がありました。
私はそれがとってもうれしかったです。
桜・・・綺麗でしたね。
東京の桜は昨日の雨で随分と散ってしまいましたね。
東北にゆっくり桜の便りが届いたとの事。。
今年の桜を東北の皆さんはどんな想いで愛でるのでしょうか。。
お花見らしきしたものをしていなかったので、先週前半に近所の公園に出かけました。
桜を見る・・・そう、自然と見上げる。
ところが、この日私は違いました。
公園に行くまでの道ばた。私の目に飛び込んで来たものは小さなタンポポでした。
こんな道ばたにタンポポが! 驚きました。
そうして桜そっちのけで道ばたをよく見ていると沢山の草花が力一杯咲いていたのです。
「春の力」
墨と絵の具を使って草花や自然が持つ 伸びる力 咲かせる力 生きる力
皆さんに自分のそんな力と出会うワークを行いました。
ペンキの刷毛を使って真っ白なテーブル一杯の障子紙の上で
腕を大きく動かしたり、肩を大きく回して円を描いたり、手首を回して小さく動かしたり
まずは「刷毛体操」です。
これから描いて頂くための、画材を使っての準備体操。
そうして墨を付けて、先ほどの体操と同じようにまずは下から上にぐーーーんと筆を走らせる。
もう一本ぐーーん。
すると・・・・・なんと普段介護用歩行器を使用している95歳の女性
まるでほんとうに草花が伸びていくように
”立ち上がって”描き出しました。
シニアワークで出会う。うれしい瞬間です。
女性はテーブルの端っこまでぐーーーーーんと力強い線が何本も。
そして墨の後に春の色合いを絵の具で付けて頂きました。
墨をついている刷毛でそのまま描くという事に抵抗を感じる方もいたようでした。
その点はちょっと私の準備不足
ですが、皆さん紙に絵の具をぐいっと出して、その絵の具を刷毛で伸ばして楽しまれる方
また絵の具を直接出してまるで油絵のように描いていく方
点 点 点と刷毛で楽しそうに色を付けていく方
私が思い描いていた様子とは異なり、皆さん道具と画材を自分なりに工夫して感じるままに描いていました。
「兆」
筆の重なり具合と墨の色合いのバランス
まるで空から光が指し、大地に何かを届けているような作品です。
一言「兆し」と男性はおっしゃいました。
何かが起こるような。そんな春の兆しを感じられたのかもしれません。
「萌」
普段はあまり大きな腕の動きをされない女性です。
この日は刷毛を楽しまれたご様子
作品に現れた力強さ
ワークの後にフロアにお持ちするとニコニコ顔で作品を見入っていました。
「タイトルなし」
具象が好きな男性です。
この日は体調があまり優れなかった事もあり、ご本人が思うように描けなかった様でした。
だけれども誰よりも色数が多く、金色の幹が上へ上と伸びゆき、その周りを葉や花が咲きだしている
深みのある春の力 そんなものを私は改めて作品を見て感じます。
「春の力」
これまでの皆さんは大きく描いた紙面の中から一部を切り取り作品に仕上げましたが、
この女性は一言「このままがいい」そうおっしゃいました。
この作品横120cmくらいあります。
認知症が進んでいる女性ですが、刷毛を自在に操り誰よりも力強く 伸びやかに 紙面いっぱいに描きました。
しかし、しばらくすると・・・
「何を描いているのかわからなくなっちゃったわ」
そういうと、しばらく立ち上がって他の方の様子を見学
そうしてまた自分の所に戻り、再び描き出す。
数回繰り返されていました。
実はこのような様子は注意が必要です。
色が重なりあって行く事でその世界に引き込まれてしまう可能性があり、
認知症の方の場合、自分は今何をしているのか? その事が一瞬でわからなくなり、
不安や怒りに変わってしまう事もあるのです。
この女性が歩き出すという行為は、もしかするとその事から無意識に離れ、現実に戻る事をしているように思います。
また私たちもそのような場合は、話しかけたり、少し作品から離れてもらったりするように 意識を外に向けるような関わりを持ちます。
この日からシニアのサポートにはじめて参加した仲間がこの切り取らないという作品に感激していました。
自身も介護の仕事をしており、施設では様々なアクティビティが行われているという事でした。
やはりいつの間にか「時間」「仕上げ」等 主役がシニアの方ではなくなってしまう
そんな葛藤がある。アートセラピーを学んでいればいるほど悩みます。
わかります。 私もデイサービスで勤めている時のアクティビティにどれだけ驚いたか!
そしてそれがどれだけ悲しかったか!
だから「このままがいい」
その人の望みの通り仕上げます。
これが今この方が持つ「力」そのものであり、そこに「いや、ここがいいですから切り取りましょうよ」と
言ってしまう事は、私が悲しいと感じた事そのものになってしまう。
何よりも、その方の大切な表現するという力をそのままに丸ごと承認する。
私たちのアートセラピーで一番大切にしている事です。
この日は天井に沢山飾られた見事な桜のディスプレイがあるフロアでした。
(このフロアの季節毎のディスプレイは見事なんです)
ワーク後に席を立とうとしたこのダイナミックな描画をした女性に
「まるで天井の桜が湖に映し出されたような作品ですね」
そうお伝えしました。
「また先生お上手ね。だけれどもほんとうに表現があなた素敵よね」
と、なんだか私が褒められちゃいました。
その言葉を伝える女性の顔にはいつも以上の笑顔がありました。
私はそれがとってもうれしかったです。
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