Life is ART!

高齢者施設で活躍しているアートワークセラピスト達の旬な声をお届けします。

想いを伝えるラブレター

2018-04-10 08:27:12 | 素敵な現場

こんにちは、Shikibuです。

そろそろ枝垂桜が見ごろの季節。
春は出会いと別れの季節とも言いますが、これからは出会いが多くなる時期
かもしれません。

そんな中、少し前に開催した高齢者介護施設でのワークをご紹介します。

ちょうどバレンタインデーの季節だったのでテーマは「想いを伝えるラブレター」

皆さまにも忘れられない出会い、おありではありませんか?

人生の後半に差し掛かり、様々な経験を経てもなお、想いを伝えたい方がいらっしゃる
のではないか・・・

そう思い、シニアの皆さまに向けてプログラムを作りました。

+ + +

一番最初にいらしたS様。

机の上にディスプレイ用に置かれたエアメールの封筒(あの青と赤のラインが入った
封筒です)に気づかれ、

一時期海外にお住まいで、当時何度もエアメールをお書きになったことをお話して
くださいました。



実はS様、今回がご参加2回目で言葉数も多くはないお方なのでそんな経験をお持ち
だったことにまずビックリ。

そして、今回のテーマ「想いを伝えるラブレター」をお伝えすると、クレヨンを
手に取りそのまましばらくお考えに・・・

「いざ書こうとすると難しいわねえ・・・」

とおっしゃいながら、物思いにふけるS様。

もしかして文字をお書きになるのが難しく、書けないことがご自身のストレスに
なってしまうかも、、と内心心配していましたが

しばらくして見るとなんとご自身で素敵な言葉を書かれていました。



「しあわせは

 みんなのもとに

 ふってくる」

そしてもう片面には枝垂桜の絵まで!

ご家族様を想って書かれた/描かれたそうです。



S様の想い出を一緒に旅すると同時に、S様の心の中に広がる豊かで優しく、
あたたかい世界を垣間見させて頂いた貴重な時間となりました。

+ + +

と同時に、セラピストの関わりの大事さを改めて感じた時間でもありました。

今回のラブレターというテーマ、昔はともかく今の皆さまがペンを手に取って
お手紙を書くことはほとんど無いかもしれません。

その感覚を思い出して頂くため、国内外の文豪のラブレターの一節を印刷した
ものや手紙に関する写真、また上述のエアメールの封筒等
お手紙を想起させる小物をたくさんご用意しました。

またお手紙をもらった時の気持ちも味わって頂こうと私たちセラピストが
いつもより早く集合して皆さまに一言メッセージを書いて当日ワークの中で
お渡ししました。(皆さまとても喜んでくださいました!)

今回S様の制作のきっかけになったのは昔ながらのエアメールの封筒、他方では
「You are My Sunshine」という歌の一節をご覧になり、以前旦那様に言って
もらったことがある、とおっしゃられた方もいらっしゃいました。

こんな風に、その方独自の想い出、イメージにつながりそうなものを探すことも
セラピストの役目。
(ヒットすることもしないこともありますが、、、)

そして、様々なモチーフの中で何がその方の興味を惹かれたか、それを一緒に
模索し、その方の想い出やイメージが形になってゆくところをサポートするのも
セラピスト。

決してこちらが形にするのではなく、あくまでも主人公はシニアの皆さま。
皆さまの想いが湧き上がるのを待ちます。

この地道なかかわりこそがシニアの皆さまが参加してよかった、と感じていただける
アートセラピーにつながるのではないかと思うのです。

シニアの方へのアートセラピーについて「普段シニアの方と関わらないからどう
関わりを持てばよいか判らない、緊張する」と言って尻込みされる方が時々います。

私も2011年のアートワークセラピーに参加し始めた当初、それまでシニアの方との
関わりはほぼありませんでした。

しかし、このアートセラピーの場の主人公はシニアの皆さまお一人お一人。
私自身はこの事に気づいてから緊張する間がずいぶん無くなりました。

シニアの皆さまはこれまでの長い人生、様々な役割(夫、妻、父、母、○○さんの
奥さん、○○ちゃんのお母さん、○○部長等々・・)を経てこられたことでしょう。

そういう役割を卒業してきた今だからこそ、素の、まるごとの”わたし”、
自分らしさをアートセラピーの時間で味わって頂きたい。

そんな想いで私は仲間と共に場を創っています。

シニアの現場では一緒に場を創るアートワークセラピストの仲間を募集しています。

クエストの卒業生で少しでも興味をお持ちくださった方はどうぞお気軽にスタッフまで
お問い合わせくださいませ


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