泉心堂治療院

せんしんどうちりょういん

台湾について

2011年06月10日 | Weblog
私は台湾に留学し、妻も台湾人ですので、台湾とは深い縁を感じております。


そのせいか、私が台湾と関わりを持ち始めた頃から気になり始めたことなのですが、、

どうも日本では台湾と中国がひとくくりにして認識されていることが多いようなのです。


現在、台湾と中国には、別々の政府が存在し、国を治めています。

そして、ここ半世紀、台湾と中国は歴史的・政治的に大変複雑で微妙な関係を保ち続けています。

歴史的には、第二次世界大戦後に本格化した中国国民党と共産党の内戦に端を発します。

中国大陸で共産党に敗れた国民党は、中華民国(国民党)政府そのものを、

南京から「臨時に」台湾に避難させたのです。

そして、台湾とその周辺の島で軍事力の及ぶ範囲のみ支配を続けています。

国民党のいなくなった中国本土では共産党の中華人民共和国が成立し、現在に至っています。


当初、国民党は、台湾で力を蓄えて、中国本土に反攻するつもりでいたようです。

しかし、長い年月を得て、それが現実的でないことは言うまでもありません。

しかし、中華民国は現在に至るまで台湾で存続してきました。

そして、10年ほど前には選挙によって民進党から総統(大統領)が選ばれるという、政権交代も行われました。
(現在の総統は国民党出身)

従って、現在、中国と台湾での政治・経済のシステムは別々のものとなっています。

また、台湾の人たちの多く、特に若い世代は、

「自分は台湾人」と言うことはあっても、

「自分は中国人」であると言うことはほとんどないと思います。

台湾で生まれ育ち、台湾という土地にそれなりの愛着があるからでしょう。


では、台湾は今後どうなるのか、どうするべきかとなりますと、

なお一層複雑になってきます。

中国と平和的な統一を目指すべきか、

1つの国として完全な独立を目指すべきか。

香港のように半独立の形で中国と統一をするかなど、

いろいろなケースが考えられ、

それぞれを熱心に支持する人たちもおりますが、

大部分の人々は結論を急がない現状維持を望んでいるようです。

(というよりそれほど性急な問題として認識していないかもしれません。)


早い段階から経済が発展して、人々の生活も日本と変わらず豊かになりましたが、

台湾の複雑な歴史は未だに解決していないと言えるでしょう。





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