「足三里」というツボは、膝の下、スネの骨の外側にあって、
胃の不調をととのえる作用があるとして有名なツボです。
つまり、足三里は文字通り「足」にあるツボですが、
胃に働きかけることができるということです。
なぜ、胃からは離れた場所にあるツボが、
胃に働きかけることができるのでしょうか?
なぜなら、足三里というツボは「胃」という『場』に働きかけることができるからです。
例えば、胃の働きは自律神経によってコントロールされていますが、
足三里が自律神経の機能に働きかけて、胃の調子を整えることができるとしたら、
足三里は自律神経を介して「胃」という『場』を調整していることになります。
同様に、例えば精神的ストレスが強くなると胃が痛くなることがありますが、
あるツボが精神ストレスを緩和させて胃の痛みを軽減させることができるとすれば、
そのツボはストレスへの作用を介して「胃」という『場』を調整したことになります。
つまり、ツボは『場』に働きかけ、『場』を調整する役割・作用があるということです。
内臓などの「器」そのものだけでなく、
「器」と「機能」すべてに関連したすべてに働きかけ『場』をととのえます。
全身各所に存在するツボは、それぞれに関連する『場』に働きかけ、
「中庸」という健康の維持を担うのです。