憲法はその国の基本理念を定めたものです。
そして法律は憲法の原則に則って定められています。
この「憲法」と「法律」の関係は
中国伝統医学における「道」と「術」の関係に似ていると思います。
国は「憲法」の理念に則って「法律」が定められ統治されるように、
中国医学は「道」の理念に則って「術」が行われます。
「黄帝内経」という、現代に内容が伝わるものでは最古の中国医学の書籍があります。
原本は逸失しておりますが、およそ2千数百年前に成立した書籍であると考えられています。
この「黄帝内経」は中国医学の学術体系において、いわば「憲法」のような役割を果たしています。
なぜなら「黄帝内経」は現代に至るまで約2千年の間、
中国医学の様々な「流派」や「学派」において、
理論的な裏付けの根拠や、内容の引用が行われているからです。
中国医学の系統を継ぐ日本の伝統医学でも同様です。
その意味では、中国医学にとって「黄帝内経」は「憲法」であり、
「道」を説く書物であると言えるのかもしれません。
その「道」に基づいて「法律」ともいうべき流派・学派の「術と理論」が
2千年以上前から現代まで発展し、活かされ続けています。
それだけ真理である「道」は不変であるということなのだと思います。