一緒に高尾山に行った文化学院時代の友達タマ、エリ、ユウは、彼女らが18ぐらいから知っている、友達になってからもう25年くらいは経っていた。
にも関わらず、まったく変わらないように私たちの間柄はあり、学生時代と変わらないようなバカ話しで盛り上がる。
しかし長い年月にはそれぞれ様々な人生があった。
ユウの話しはあまりにも重かった。
信じられないような話しであり、聞きながら胸が引き裂かれる思いになった、到底ここでは書けない。
そんな酷い人生を歩んでいるユウがアサダのことを話した。
アサダとはもう15年前に脳腫瘍で亡くなった私たちの友達のことである。
「ワタシね、ケンちゃん{アサダ}が夢に出て来たので一番鮮明に覚えている夢があるの。ケンちゃんがね、どこの場所だかは分からなかったけど。ワタシの隣に来て言ったの。オレは忙しくしているけど、ちゃんとユウを見守っているからって、ケンちゃんが言ってくれたの。ケンちゃん、天国で忙しくしているんだって」
ユウは笑いながら言った
私はそれを聞いて、条件反射のように瞳から涙が溢れて来た。
そうなのか、アサダはちゃんと見守ってくれているのか、やっぱり死んでもオマエは良い奴だ、これからもユウを見守っていてくれと心のなかで呟いた。
アサダよ、オマエは天国でどんな毎日を過ごしているんだい。
千の風のようにあるのかい。
だったら、私は風に向かって話しかける。
微笑みながらな。