Mのミステリー研究所

古今東西の面白いミステリーを紹介します。
まだ読んでいないアナタにとっておきの一冊をご紹介。

『弁護側の証人』小泉喜美子のミステリ

2014-04-13 08:00:47 | ミステリ小説
この本はけっこう古い本です。しかし、ミステリが好きな人は誰もが知っている本です。
1963年に文藝春秋社から書き下ろしとして刊行されました。長い間絶版状態でしたがやがて1978年四月に集英社文庫として刊行されたものです。

ヌードダンサーのミミイ・ローイこと漣子は両親を早く亡くしたった一人で生きていくために今の仕事をしている。1963年といえば昭和三十八年。この当事では
若い女一人で生きていくための仕事といえば限られていたでしょうからこの職業も仕方ないといえます。でも漣子は世間の偏見に負けない

しっかりとした考えを持った女性です。やがてショーを見に来ていた八島財閥の御曹司と恋に落ち結婚します。しかし、幸せは長くは続きません。
義父であり当主の矢島龍之助が何者かに殺害されます。目撃証言とアリバイ。裁判で死刑が下されますが上告して新たに採用された

弁護側の証人とは・・・。そんなスリリングな展開に増して最後に待っているドンデン返し。きっと誰もが騙されることでしょう。
今読んでみても十分その計算されたミステリとしての面白さは変わりません。
この本はきっとミステリ愛読者に大切にされずっと残っていく作品であろうと思います。もし未読の方がおられたら一読をおススメします。