カーと言えば密室物ですが、カーター・ディクスン名義で書かれたなかでも、この作品が高い評価を得ているのが頷ける作品です。
夜、真っ暗闇の部屋で行われていた降霊会。その時離れた庭にある石室で起きた殺人。周りには足跡もなく現場近くには何かが起こると予感したロンドン警視庁のマスターズ警部もいた。
ペスト病、黒死病に因縁を持つ屋敷で起きた密室殺人。怪しげな降霊会に集まっていた面々。しかし、調べが進むにつれ返って捜査は混乱する。降霊会の途中誰かが部屋から抜け出したとの証言。
しかし、石室には誰も近づいていない。蝋燭の明かりだけのほの暗い庭。捜査は進展せず、ついにヘンリ・メルヴェール卿に手助けの要請が入る。H・Mことヘンリー・メルヴェール卿が登場する
第一作ですが、そのキャラクターは口が悪く言いたい放題の自信家といったところで少し危ない人物設定と思えます。しかし、複雑な人物背景を見透かしていく能力は非凡で、達者な口と同様に
思考も発想が他とは違った方向から入り他には見えないものが見えてくるメルヴェール卿です。殺人の動機、これこそが真相に至る道ですがそこはカーで複雑な人物たちを多く用意して
安易には想像出来ない背景を作っています。第二の殺人が起きてからメルヴェール卿の推理がいよいよ真相に近づいていきますが、その犯人の素顔には充分意外さがあり、それまでの物語の
中で見え隠れしていた部分がハッキリと示されるところはミステリの醍醐味と言えます。メルヴェール卿の活躍する作品はこの他にもありますが、カーの作品の入門書としてはこれがいちばん
適していると思います。密室トリック。犯人の隠し方。古典中の古典ですが今読んでも充分楽しめる作品です。
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夜、真っ暗闇の部屋で行われていた降霊会。その時離れた庭にある石室で起きた殺人。周りには足跡もなく現場近くには何かが起こると予感したロンドン警視庁のマスターズ警部もいた。
ペスト病、黒死病に因縁を持つ屋敷で起きた密室殺人。怪しげな降霊会に集まっていた面々。しかし、調べが進むにつれ返って捜査は混乱する。降霊会の途中誰かが部屋から抜け出したとの証言。
しかし、石室には誰も近づいていない。蝋燭の明かりだけのほの暗い庭。捜査は進展せず、ついにヘンリ・メルヴェール卿に手助けの要請が入る。H・Mことヘンリー・メルヴェール卿が登場する
第一作ですが、そのキャラクターは口が悪く言いたい放題の自信家といったところで少し危ない人物設定と思えます。しかし、複雑な人物背景を見透かしていく能力は非凡で、達者な口と同様に
思考も発想が他とは違った方向から入り他には見えないものが見えてくるメルヴェール卿です。殺人の動機、これこそが真相に至る道ですがそこはカーで複雑な人物たちを多く用意して
安易には想像出来ない背景を作っています。第二の殺人が起きてからメルヴェール卿の推理がいよいよ真相に近づいていきますが、その犯人の素顔には充分意外さがあり、それまでの物語の
中で見え隠れしていた部分がハッキリと示されるところはミステリの醍醐味と言えます。メルヴェール卿の活躍する作品はこの他にもありますが、カーの作品の入門書としてはこれがいちばん
適していると思います。密室トリック。犯人の隠し方。古典中の古典ですが今読んでも充分楽しめる作品です。
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