やれこら やれこら 昨日も今日も

自分だけはと力んでみても,膝はガクガク,息ハアハア。会話は「アレ,ソレ」そして「やれこら」。鍛えるべきは皮肉とジョーク。

カラスが鳴くから,「かーえろ」  やれこら やれこら

2014-09-05 08:16:58 | 今日のやれこら
「この辺りに有った畑で,“むかし”イモや麦を作っていたんだ」
ここから上にまだ畑が有って・・・。
細い道を登っていくと少しだけ平らな場所に出て・・・。
その平らなところで,子供が集まって”とんど”して・・・。
両側を子供が隠れるほどの高さまで小石を積みあげた道が有って・・・。
そこが山と畑の境で・・・。
山の方に行くと,松林が有って・・・
曲がりくねった急な坂道が続いて・・・。
やっとの思いで登った山頂に小っちゃな祠が有って・・・

我が家やご近所が麦と芋を二毛作で作っていた畑が,40数年前に団地になりました。
その団地内を散歩中です。
昔を思い出しながら歩いています。
「そういえば,団地造成のため,坪3千円で畑を売ったんだ」,父親から聞きました。
団地は「市」が造成しました。
芋と麦しか取れない土地を「お上」が買ってくれるんです。
みんな大喜び,手放しました。
その土地が造成後,土地提供者は一区画限定の優先価格,坪1万円で買えました。
一区画60~70坪です,70万円出せば一区画買えました。
ですが,ほとんどの人は,先祖伝来の家が有ります,買う人はわずかでした。

私の一つ下に大工の知り合いがいました。
父親を早く亡くし苦労していたようです,中学卒業後,親方に付いて修行していました。
畑は提供していましたし,一区画買えるぐらいの貯金も出来ていたようです。
当人は悩んでいました,「一区画買おうか,それとも車にしようか」
当時,一区画分有れば十分普通車が買えました。
若さです。
出した結論は「車」でした。
高度成長期です,物の値段は上がります。
買った車の値打ちは下がります。
住宅ブームが来ました,当然土地も値上がりします。

数年のち車を買い替える頃には,土地の値段は10倍以上になりました。
「あの時になー、あの時になー」
会えば必ず愚痴っていました,何年も,何年も。

当時「土地が投資の対象」などと発想する人は周りにはいませんでした。
「土地」は何かを植える所,家を建てる場所だったのです。
純真だったのです,大方の田舎の人は。

という事で歩いています。
ですが,空き家が目立ちます,更地になったところもあります。
「んーん・・・んーん・・・」
たそがれ時の散歩です,カラスも鳴きます。
何はともあれ,秋です。

「晩酌,晩酌」早く家にかーえろ。
                  やれこら やれこら