やれこら やれこら 昨日も今日も

自分だけはと力んでみても,膝はガクガク,息ハアハア。会話は「アレ,ソレ」そして「やれこら」。鍛えるべきは皮肉とジョーク。

自転車通学   やれこら やれこら

2014-09-19 08:16:57 | 今日のやれこら
窓から,団地を上り下りする坂道が見えます。
その坂道の中央寄りを,男子高校生が自転車で登っています。
“ゆっくり,ゆっくり”時に止まります。
右手の肘をハンドルにかけ,下を向き左手でスマホを操作しているようです。
後ろから乗用車が来ますが,スマホに夢中で気が付きません。
「ははあー,車がハイブリッド車で静かなんだ,トッラクなら気づくだろうに」
道幅は広くありません,そのまま追い越すには,「運転手」に勇気がいります。
高校生に当たるか,タイヤを溝に落とすかです。
「プップップップ,すればいいのに」
運転手は優しい人のようです。
10m行っても「しません」
後ろの車に気づいてくれるまで,ついて行くと決めたようです。
相当な忍耐の持ち主です。
この道は50m以上続きます,その先が三叉路です。
 ・高校生が車の行きたい方向の反対に曲がるか
 ・対向車が来て,端に寄り後ろに気づいてくれるか
 ・スマホも一段落,車の音に気づいてくれるか
そうでなければ,この状況に「運転手」は100m近く置かれることになります。
「ブー,ビー,ブー,ビー,道を譲りなさい」窓越しですが思わず口に出します。

その時です
坂道を,荷台の箱に猫のマークがついた自転車が昇ってきました。
気持ちよさそうに,「スイスイ」と。
正式名称は知りません,「自転車宅急便」で使う電動自転車のようです。
緑色の帽子を被った女性が,ペダルを漕いでいます。

車を追い越します。
高校生の横を通り過ぎます。
高校生はびっくりした様に顔を上げ,追い越した自転車を眺めます。
そして,後ろの車に気づきます。
高校生は自転車を道の端に寄せます。
「プップ」
運転手はやっとクラクションを鳴らします。
道を譲ってくれてありがとうと。
良い人です。

50年前,私は高校生です。
「保護者の同伴なしで,大衆食堂」が,先生に見つかれば「謹慎」の時代です。
“バッカみたい”と言われそうですが,守るべき「校則の一つ」だったのです。

私の通学は“アシストのない”自転車で,帰りが大変です。
家が近くになってから,約1キロは登り坂です。
いつごろからか,「自転車を押さずに乗って帰る」が,目標になりました。
まじめな高校生だった私は腹も減ります,エネルギーが切れます。
大抵は途中でギブアップでしたが,まれに「達成」です。
巡回の“目”を上手く潜り抜け,「大衆食堂」に入れた時です。

「スマホでゲーム」の楽しさは知りません。
ですが,50年前もそれなりのスリルと達成感は有ったのです。
                   やれこらやれこら