私淑する中村天風翁の言葉を中村天風財団のメルマガより引用連載します。
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■ 中村天風 | 一日一話
元気と勇気が湧いてくる、哲人の教え366話
2021/12/8 「時は金なり」
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物質礼賛のMaterialist(実利主義者)は、
あるいは、「時は金なり」というこの言葉に
心からの共鳴を惜しまないであろう。
しかし、金は失っても
取り返すことはあえて不可能ではないが、
時はいったん失ったら、
永久に現在の意識に決して戻ってこない。
のみならず、
いっさいの事柄の完成を看察すると、
それは金の力で成しえたように見えても、
真実は、要約すれば時の力である。
中村天風
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▼時は金よりも貴重なり
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(以下、機関誌『志るべ』に掲載された
「新箴言註釈16」現代語表記版より引用抜粋)
※『真理のひびき』箴言16に該当。
英国の小説家の言葉に、
「60歳の人は、20年は寝床の中で、
3年は食事に費やしている」というのがある。
この言葉だけ考えても、
実際に営まれる人生生活の時間は、
差し引き37年というわずかなものになるが、
それは運命も健康も順調な人の事なので、
万一不運や逆境に陥入ったり、
不健康になって入院したり、
又は仕事が出来ない闘病生活をしたり、
又は怒ったり泣いたりして
生活の安定を破壊する時間を差し引くと、
どうです!!
残る時間つまり実際の生活というものは、
実に実に短かいものになり終るでしょう!!
こうした事実を慎重に考察すると、
極言すれば、あくびをする時間も、
くしゃみをする時間も、取り返せない以上、
瞬間といえどもいい加減に費やすべきでなく、
心して有意義に使って生きるべきだと
厳しく自戒されることと信じる。
そしてここに、
時は金よりも貴重なりという真の意義も、
明瞭に判明すると思う。
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