録画してあった浮世の画家を観た。
古(いにしえ)の香り高いノーブルな作品。
しかし、戦後間もない時代にあんな金魚鉢のような(リーデルか?)ワイングラスは、日本には存在しなかった筈だ。
戦後どころか、私が大学時代を過ごした1970年代後半の東京にもなかった(少なくとも私の生活環境の中では)。
だって、百貨店のグラス売り場にもなかったのだから(ごくちっこいものがあったことは記憶してるが)。
当時のガールフレンドと一緒に求めたそれが、今でも手元にある。
彼女がどうしたかは確認のしようがないが。
話が逸れた。
ああいう時代考証をなめてはイカンのじゃなかろうか、NHKさん。
特に、文芸作品を映像化したこの作品のようなものについては。
ま、それはおいといて、原作がカズオ・イシグロとのこと。
彼は日本に生まれたが、確か英国暮らしの方が長い筈。
この作品の時代背景は戦前から戦後にかけての日本を描いているが、彼にその体験はあるのか?
それとも、英国でのことを日本に焼き直したのか?
私は、読後感想を書くに当たって、自分に課しているのが「予断を自分に与えない」ということ。
従って、彼の生い立ちはほぼ知らない状態。
これを書き終えたら、今の疑問を解決すべく、少しくトレースしてみたいと思う。
それにしてもである。
また、「老い」を突き付けられることが。
このドラマを観たことで、過日ナイルで求めたカズオ・イシグロの本があったことを思い出した。
それは、長く、チュー太郎のカウンターの端っこに他の様々な本と一緒に積み上げられていた。
いよいよそいつを読むべき時が来たと思った。
そして、その場所へ。
これが、無いんである。
ゆっくりと思い出してみた。
すると、その後の私自身の行動が蘇ってきた。
そうだ、つん読があまりに過ぎて、見苦しくなってきたから、段ボール箱にそれらを詰めて移動したんじゃなかったか(自信はないけど)?
そいつを探す、探す、探す・・・
無い!
なんてこったい、オリーブ!最近のオレはこんなことの繰り返しぢゃあないか!!
それがこの本。
さて、どうする、オレ・・・
土屋 政雄
早川書房
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