私淑する中村天風翁の言葉を中村天風財団のメルマガより引用連載します。
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■ 中村天風 | 一日一話
元気と勇気が湧いてくる、哲人の教え366話
2021/9/19 いのちの力の使い方
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いのちの力の使い方――
結論からいうと、
これはきわめて短い言葉で
表現することができる。
すなわち、
「力を入れることに重点を置かずに、
力を働かすことに重点を置く」
――これである。
中村天風
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▼「力」の無駄使い
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(以下、『哲人哲語』
「いのちの力の使い方(自我と人生)」から
引用抜粋)
諺(ことわざ)に、
「頻(しき)りに琴鼓を巧みに奏するを巧者といい、
既に琴鼓をして琴鼓を奏せしむるに至らば、
これを上手という、
而(しか)して、名人名手とは、
天をして琴鼓を奏せしむるのみ」とある。
この語の中にたしかに、いのちの力の使い方が、
ハッキリと説示されていやしないか。
要約すれば、
「いのちの力の使い方」なるものは、
不即不離、有無相通であってこそ理想だ。
即ち「力」の無駄使いということが、
およそ人生に価値のないことであるからである。
世の中を見てみるに、その日々の生活を行う際、
この「力」の使い方を考えないため、
かなりに「力」の無駄使いをしている傾向がある。
そして、それが主因あるいは副因となって、
いのちを活かす主役ともいうべき、
神経の生活機能に、
オーバーロード(負担)を与え、
その結果、
自己統御に何よりも必要な克己心を弱くしたり、
神経衰弱に罹ったり、
そして毎日クヨクヨキナキナ心配苦労
煩悶の絶え間なく、
少しも人生を明るく活きていない。
だから、そういう人は、
同じ笑っても、憐れな程いとも貧弱な笑顔だ。
心から笑っていないからだ。
というのも、
平素の人生生活を行う際、力を働かさずに、
力のみ入れるという力の無駄使いを、
あえてしているからである。
剣の極意は
「変機に処する以外には、
徒(いたずら)に力を入れぬこと」である。
人生生活を完成するいのちの力の使い方も又
これ以外にはない。
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