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最初は無実の罪を着せられた男の脱獄の映画かと思いながら観ていた。
すると、過酷な条件を自らの工夫で緩和することに生き甲斐を求めた男の
獄中記なんだという流れになった。
より快適に獄中生活を送るには、折れるべきところは折れ、頑なに守るべき
ものは守る。
そんな男の生き様が、「悪くはないが、それでいいのか?」という思いを
脳裏に横切らせる。
自由を奪われた身の上でも、生きることに専心することが是なのか?
それとも、理不尽な仕打ちに対しては「死」をもって対抗することが是なのか?
並はずれた情熱を政府にぶつけて、獄中図書館を作ってしまう。
石をじっくり削ってチェスの駒を作る。
娑婆でのスキルを活かして所長以下、所員の感情を手懐ける。
但し、その中には汚職の片棒をかつぐという仕事まである。
果たしてそれでいいのだろうか。
確かに獄中生活は快適になった。
でも、そこまでだ。
周りのみんなが人格を認めていたし、一目置くようになっていた。
10年の月日が流れたのだ。
でも、それだけでいいのか?
「いいわけねえだろ!」
ついに奴はやった。
一人でコツコツと目的達成のために誰にも気づかれることなく準備して、
見事に脱獄をやってのけた。
その上、所長の私腹を肥やして集めた財産をそっくり自分のものにした。
痛快なドンデン返しに溜飲の下がる思い。
観る者をもシクシク胃の痛むような思いをさせておいて、見事に欺いた。
獄中で親友となった年上の「レッド」が仮釈放で出る。
男はそれも先に手を打っておいた。
もう若くはないレッドの社会復帰は難しい。
メキシコの海の見えるホテルを手伝ってくれと勧誘しておいた。
そして、その場所を他の誰にも悟られることなくレッドに伝える方法も
事前に画策していたのだ。
全てがその明晰な頭脳を駆使して綿密に、しかも辛抱強く計画されて
いる訳だ。
男とレッドが晴れて自由の身で再会するラストシーンは、
心が震えるほど感動的で象徴的だ。
画面の4/5が陽光きらめく太平洋である。
この太平洋が「自由」の象徴なのだろうと思った。
同じようなラストシーンを覚えている。
高校のときに観に言った映画。
「パピヨン」
スティーブ・マックィーンと、ダスティン・ホフマンの
脱獄がテーマのそれ。
断崖絶壁の孤島。
飛び込めば間違いなく死が待っている。
万が一助かっても、その海には獰猛なサメがウヨウヨいる。
パピヨンは来る日も来る日も波を見ていた。
やがてひとつの法則を見つけだす。
どの波に乗れば、沖へ流してくれるかという法則である。
囚人仲間のドガはもう脱獄を諦めていた。
与えられた場所で平穏に暮らしていくことの方に価値を見出した訳だ。
それでもパピヨンの計画を聞いて心が動く。
ついに決行の日はきた。
土壇場でドガは踏み切れなかった。
パピヨンだけが断崖絶壁に身をひるがえした。
そして、見事に仮説通りの結果となった。
それを見送るドガの目にはとめどなく涙が溢れていた。
ココナッツの実を束ねて作ったいかだに仰向けになったマックィーンの姿が
段々と引きの映像になり、やがて大海原の一点となる。
このときも海は「自由」の象徴だった。
そして、その自由を手に入れる為の男達の血の出るような努力、
生きる執念が不可能を可能にする。
「如何に死すか」との裏腹にある「生への執念」
これが理解出来れば生まれてきた甲斐があるのかも知れない・・・
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あゆみです。
あたしもショーシャンクの空にはめちゃめちゃ感動しました。
前に見たのはもう6年ほど前やけど今でも鮮明に映像が思い浮かぶわ。
もう一回見よっかな
大学生活を満喫しとるか?
この映画はそんなに前の作品だったんかいな。
しらんかった・・・
パピヨン
30数年前やけど、ええで。
機会があれば観てごらん。
んじゃ
今朝今更ながら初めてこのブログを知りました
で、さっそくショーシャンクの空にに反応してしまいました
何度見てもラストで泣いてしまうのは既に条件反射なのでしょうか?
じゃじゃの年代ではアルカトラズからの脱出と重なる
部分が多いかな?と思いながら見てましたが(ペットを飼っていたりその他多数・・・)
やっぱりラストですね♪
そして原作がまたレッドの語り口で良いですよね!
これからも時々覗いてくれると嬉しいです。
そして、気軽にコメントをくださいね。
ちゃんと過去も見ているんですね
これからちょくちょく覗かせていただきますのでよろしくです♪
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だから、どんどんコメントをくださいね。