この時代、「閏十二月」というのがあって、何年かに一度、十二月が二回ある年があるという。
全く知らなかった事実。
「店先現銀売り」がご法度の天満において、不良在庫を換金する方法は?
あほボン四代目徳兵衛に愛想をつかして出て行った手代二人が、行く先の分散(だったかな?)で宙に浮いたのを知るや、個人事業主としての行商を任す。
そして、これまでには無かった遠隔地の販売ルートを開発する。
こうした幸の工夫を読むにつけ、楽しくなってくる。
ただ、その才能を妬んだ亭主五代目徳兵衛(惣次)が失踪する。
「ともに生きる不幸よりも、離れて生きる不幸」を選んだ訳だ。
ただ、後にこの惣次が幸の商売に絡んでくるのだろうということは想像がつく。
何故なら、案の定、この貫流編で、五鈴屋を出た菊栄が再登場したから。
但し、菊栄は味方としてだが、惣次は敵方として登場するのかも知れない。
それにしても、惣次失踪の後を受けて、商才の無さを自覚する三男智蔵が六代目徳兵衛を襲名するに当たっての条件が「幸を嫁に」というのが、想像してたとは言え、強烈。
結局、四代目から六代目迄、三人の兄弟に順に嫁ぐというのだから凄い。
これこそ、商売における武将という幸の人となりを表したものか。
幸の覚悟
「どんなことがあったとしても、顔を上げて笑っていよう。笑って勝ちにいこう」
私もそうありたいと思う。
ここまでは図書館で借りたが、次からは予約の順番待ちの状態。
もう待てない。
そこで、五巻は古本で求めた。
そして、六巻と七巻は送料を合わせれば、古本も新本も価格が変わらないので、新本で取り寄せた。
ただ、八巻はまだリリースされてないので、そこから先は首を長くして待つ外ない・・・
追記
恒例のミスプリ探し。
267ページの最期から2行目。
故郷屋は桔梗屋の間違いでは?
江戸時代中期、長く続いた不況を脱し、景気にも明るい兆しが見え始めた。大坂天満の呉服商、五鈴屋でも、五代目店主の惣次とその女房幸が、力を合わせて順調に商いを広げていた。だが、徐々に幸の商才を疎むようになった惣次は、ある事件をきっかけに著しく誇りを傷つけられ、店主の地位を放り出して姿を消す。二度と戻らない、という惣次の決意を知ったお家さんの富久は、意外な決断を下す。果たしてその決断は五鈴屋を、そして幸を、どのような運命へと誘うのか。大人気シリーズ第四弾!
![]() | あきない世傳 金と銀(四) 貫流篇 (時代小説文庫) |
高田郁 | |
角川春樹事務所 |
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます