仏語で農業のことをこう言う。
真っ赤な嘘。
でも面白い。
ついに始まった、倉本聰の富良野三部作のラスト作品。
この春先にその知らせに触れてから半年余り。
ずっと気に掛けていた。
こんなに待ち遠しい思いにさせられたTVドラマは、「前略おふくろ様」以来。
さういえば、あれも倉本作品だ。
倉本作品は、割と贔屓の俳優が連続して起用されることが多い。
例えば、
『昨日、悲別で』(1984年・日本テレビ系)
『ライスカレー』(1986年・フジテレビ系)
『優しい時間』(2005年・フジテレビ系)
には、布施博が。
梨本謙次郎もそれに準じる。
(ライスカレーには出演してない。中井貴一は出てる)
そして、『優しい時間』では主題歌を担当していた平原綾香が、本作品では女優として参加している。
勿論、今回も主題歌を担当した上で。
ホテルのラウンジでピアノの弾き語りをするシーン。
「おりょ?仏語?」
と思ったら、案の定、そのくだりがあって、そこで中井貴一が放つ冗談が冒頭の洒落。
中井貴一といえば、「ふぞろいの林檎たち」。
私は、このドラマが大好きで、未だにビデオを時々眺める。
先日なんぞは、定休日なのをいいことに、日がな一日ビデオを観てしまった。
120分テープに、3倍速で毎回の放送を撮り溜めたものだから、6話分が入っている計算になる。
それを布団にくるまったまま、全部観てしまったのである。
実は、私の一等好きな脚本家は、それを書いた、山田太一なのだ。
彼の作品は、死生観と真正面から取り組んだ骨太なものが多い。
勿論、「ふぞろい」のような視聴率の取れるものもあるが、どちらかというと、
『シャツの店』(NHK総合、1986年)(出演:鶴田浩二、八千草薫、平田満、佐藤浩市、杉浦直樹、美保純、井川比佐志ほか)
『今朝の秋』(NHK総合、1987年)(出演:笠智衆、杉浦直樹、倍賞美津子、杉村春子、樹木希林、加藤嘉ほか)
といった、「老い」の葛藤を描いた作品に、見るべきものが多く、いわゆる見応えのある作品を多く手掛けてきた脚本家だと受け止めている。
それに反して、倉本のそれは、どちらかというと数字の取れる人情物が多かったのだが、富良野三部作については、例外のように思える。
その集大成が、この「風のガーデン」だと思うと、見逃す訳にはいかないのである。
奇しくも、本作品が遺作となった緒形拳の公開直前の急逝が、「数字よりも内容」を重視した作品の数字に貢献することになるであろうことは、なんとも形容しがたい思いに囚われる。
合掌
見ながら、以前チューさんが富良野3部作とか書いていたなあ、それかな?これは、と思い出しました。
親子ゆえの複雑で逃げられない絆と愛情。
生きていく事、死んでいく事。
どう展開して行きますか。楽しみですね。
真正面から死と対峙する様は、なんとなくお洒落ではないような感じではなかったかと思います。
それが、今回は直球できたという感じを受けています。