宝島のチュー太郎

酒屋なのだが、迷バーテンダーでもある、
燗酒大好きオヤジの妄想的随想録

海辺の家

2006-03-28 02:19:13 | 映画のこと


明日(正確には今日)が休みにつき、今宵は夜更かしをして、久しぶりに映画を観た。



いい思い出もあるが、嫌な思い出の方が多い古い家を壊して、新しい家を建てる。
その家をそこに暮らした家族の変遷にみたてた映画、だと感じた。

断崖絶壁の上に建つ家。
あんな場所で暮らせたら寿命が10年は延びるだろうなあ。
ただ、崖崩れの心配なんかもしてしまうところが我ながらいいんだか悪いんだか。

癌で余命数ヶ月と悟った男が、残った命を、離婚を契機に疎遠になった一人息子と家を建てるという行為に費やす決心をする。

息子は世を拗ねてドラッグ漬けの毎日。
自分を見捨てた父親は父親ではないし、自分をとりまく世の中全部が嫌になっている。

父は父で、息子が幼い頃はいい関係だったが、それから後は孤独な毎日を過ごし、やはり、世の中なんて何にもいいことなんか無いという人生を送ってきた。

それがもうじき自分がこの世から居なくなると感じた日から、それまでの過ちを少しでも取り返すことに最後の光明を見出そうとする。

私ならどうだろう。
何かに取り組む気力が湧くだろうか。
それは、そうなってみなければ判らない。

ただ、私はあと20年掛けてそれが出来ればとは思っている。
そんなことを本気で思えるには、窮地に追い込まれなければならないのかも知れない。
そういう意味では、まだまだ呑気な絵空事かも知れないが、それならそれなりに、常に念頭においておきたく思う。

この映画で一番心に残ったシーンは、新しい家の骨組みが出来て、段々と家らしくなってくるのと並行して、反発していた息子や、他人に戻った元妻の心が氷解してゆく様が、海の夕陽で表現されているところ。

オレンジ色から群青色へのグラデーションをバックに、爽やかな海風が吹く。
その空間に逆光でシルエットになった元夫婦がダンスを踊る。
BGMは、彼ら家族が親密だった頃によく聴いた「サークルゲーム」。

このシーンがこの映画を物語っていたように思う。




人は過ちを取り返すことが出来るんだというエールをもらったような・・・





海辺の家

ポニーキャニオン

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ここを知ってもう数ヶ月になります。
当サイトの映画についての記事はほとんどここから借りたものについてです。
メール便で届いて、郵便ポストに返す。
中1日で次のそれが届きます。
ものぐさな私にはぴったりのシステムです。
DVDという薄い媒体だからこそ出来たシステムであるとも言えますね。





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