わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

CA寿司の大ピンチ!

2014-01-10 | 日記
 鶏の唐揚げに勝手にレモンをかけるヤツは許されるべきか?という議論がありますが、鶏の唐揚げに勝手に辛いソースが掛かってるのはどうよ?という状況に直面しています。近所の日系スーパーの今週の特売、Chicken Karaage Jumboっつーのを買ったんですが、これが真剣に辛いの。で、よく見たら小さな字で「Sweet and Spicy」って書いてあった。全然「sweet」じゃないし!だいたい、フォント小さすぎて、しみじみ眺めないと読めないし!やられた!って感じです。

 まぁ、唐揚げにレモンやソースはムカつく程度だけど、今、カリフォルニア州では日本食業界における大変な事態が進行中!今年の元旦より、食品衛生法により生物を扱う食品や、その後に調理されずそのまま食べる物が手に触れる際には、使い捨て手袋の使用が義務つけられることになったのです。この条例により、カリフォルニア州のレストランは今後6ヶ月の間にゆっくりと完全実施に向けていかねばなりません。ナマの食材といえば当然ながら、全てではないにしろ多くの寿司ネタが含まれます。ビニール手袋やラテックスの手袋で握った大トロなんて、随分とがっかり。手の感覚で握り具合を確かめている職人さん達に、あー、そこんとこは妥協して適当に握っててね、と、誇り高い寿司職人に言ってるようで、とても失礼だと思う。「二郎は鮨の夢を見る」の小野二郎さんのような職人さん達は、怒ってお寿司屋さん辞めちゃいそう。この記事はLA Weeklyのページから。ただし、この記事では「Making sushi with gloves is like making love with a condom(手袋して寿司を握るのは、コンドームして性交するようなもの」と書いてあるけど、いや、それは違うだろ!と、声を大にして言いたい。

 テキサスのオースティンに越した年だから、もう10年前になりますが、地元新聞紙で「寿司への挑み方」という記事が載っていました。ほんの10年前の地方都市では、スシ・サシミは一部のインテリ(オースティンが大学都市です)や、ハイテク産業で潤っている新しもの好きだけの「洗練された」食べ物だったのです。コロラドに住んでいた時には、近所のスーパーにも小僧寿しタイプのパック寿司コーナーが出来る事になり、「日本人なら、そこで働けばいいのに」と、色々な人に言われました。なんしか、日本人は私しかいない街だったし。パック寿司なので出来合いの材料を詰めるだけなんですけど、お寿司に対する考え(期待?)は、その程度だったのです。それが、ここ数年で、パック寿司なんてディスカウント・スーパーにまで置いてあるし、みかんに梨、大根、うどん等々、普通にスーパーで売ってるし、アジア食材コーナーには、ポッキーやカレーの素もある。特に異文化受け入れに寛容なカリフォルニア州で、スシ・サシミへの理解がぐるっと一回りして、すっかり馴染んだ所でじゃーウチの流儀に従ってもらおうか、に、なっちゃった?と、思えるような皮肉な条例です。

 更に皮肉なのは、同じく今年からロサンゼルス市全域で、環境上の配慮を鑑みて、スーパーのビニール袋が禁止になったこと。私は海岸沿いを歩いて貝殻やシーグラスを拾うのが好きなのですが、ついでゴミ拾いをしていたら、ライフガードにすっかりゴミ拾うおばさんだと認識されたようで、「今日もゴミ拾い、ありがとうっす!」なんて言われるんで、もー、拾わなきゃなんない立場に追い込まれているのですが、よくある海岸ゴミの中でも、ビニール手袋は中に砂がつまって実に厄介な代物。風に飛ぶビニール袋は減るかもしれないけど、今度は風に飛ぶビニール手袋が溢れそうです。スーパーのビニール袋は、家庭のゴミを出したり、犬の散歩で大活躍だけど、使い捨てビニール手袋は再利用できない。ビニールならまだましだけど。無駄に上部なラテックス手袋が散乱しだすと、下水がつまったり、様々な弊害を引き起こしそう。もー、ホントにお役所仕事には訳ワカメが多いですよ(*SIGH*)

おまけ

近所のスーパーの駐車場にウインナー・カーが停まってたんで、若息子と記念撮影