わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

The Museum of Jurassic Technology

2014-01-19 | Museumsとイベント
 かねてより興味のあった、カルバーシティーのThe Museum of Jurassic Technologyに行ってみました。Yelp!等の口コミでは、最高の5つ星か最低の一つ星しか無く、他に類を見ない、最高、知的興味心を掻き立てられるという絶賛か、ワケわかめ、価値なし、下らないという「時間とお金を無駄にした」という怒りしか無いという極端な評価を得ている博物館です。で、いきなり私たちの評決を発表いたしますと、私と若息子は「結構、面白い」で、上息子は「全く意味なし、時間の無駄!」でした。

 鉄の扉を開けて中に入り、入場料を支払って展示場へ向かうと、暗い。とにかく暗い。やはり闇の中でウロウロする他の人とぶつかりまくりで、ごめん!あ、すみません!があちら中から聞こえてきます。暫くしたら、目が慣れてはきましたが、相変わらず暗い。ただでさえ暗いのに、説明文は小さいので読みにくい。で、苦労して読んでみても、内容がまるで分からない。That doesn't make any sense,とは、こういう時のためにある言葉。

 展示は小さな部屋ごとに分かれていますが、順路もなく、洞窟迷路の中を彷徨っているような気になります。そして展示はといえば、医学に関する迷信を集めたもの、針の穴の中に造られたヨハネ・パウロ2世やナポレオンの騎馬像(虫めがね越しに見る)、蝶の鱗粉で作ったミクロサイズの絵(顕微鏡で見る)、花のレントゲン写真(下の写真。綺麗)、あやとりの一室があるかと思えば、ちゃちい紙のジオラマで出来た、無駄に暗い今世紀初めに存在したロサンゼルスのトレイラー・ハウスの展示、19世紀の「科学者」が想像した有人ロケットの模型(最上部はお部屋になってて、普通にベッドとタンスが置いてある)、旧ソ連の宇宙実験でロケットに乗せられた犬達のの肖像画、ノアの箱舟の125分の1の模型等、全く何の脈絡もなく、何を目指したのか分からない技術や、変な情熱に燃えたアーティスト等、迷信と真実をごちゃ混ぜに展示したこの博物館は、驚異の部屋の伝統を継いでいます。因みに、Wikipediaによれば、「驚異の部屋」とは「15世紀から18世紀にかけてヨーロッパで作られていた、様々な珍品を集めた博物陳列室である。ドイツ語のWunderkammer(ヴンダーカンマー)の訳語で、「不思議の部屋」とも訳される」のこと。このカオスぶりに「なんじゃこらー?」と面白さを見出すか、何の意味もなく下らないと一言で片付けてしまうかで、この博物館の価値は決まると思います。



   


 この手の展示にありがちな、エロ・グロ系は殆ど無く、唯一、通りすぎる人々が揃って「うげぇ」と辟易していたのは、夜泣きをやめさせる薬として、ネズミのサンドイッチを食べさせる習慣があったって展示の、パンの上に二匹並んだハツカネズミ程度。しかし、ほんまかいな?二階には、小さなティールームとパティオが有り、美味しいお茶とクッキーをいただきながら、パティで買放し飼いされているはとや小鳥たちを見ながら、静かなひとときを過ごすことができます。私が行った時には、白いヒゲのおじいさんがアコーデオンで物悲しいメロディーを奏でており、本当に異世界にいるような気分になりました。クッキーは手作りなのだそうで、たいそう美味しかったですv

 夢枕獏さんに解説して欲しい小さな博物館でした。バスでも行けますが、博物館の裏に無料で停められるスペースも有ります。帰りには、大好きなキューバ・レストランの「ベルサイユ」でサンドイッチやプランテインのフライ、デザートのフランとブレッド・プディング買ってきた。マンハッタン・ビーチにも支店があります。でも、思い入れのせいかもしれないけど絶対!この本店のほうが美味しい!って思うの。古びて、やや疲れた雰囲気もむしろ良し!大好き!