わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

今時ウワサの嫌な奴

2017-07-05 | 時の話題
 殺人蟻という恐ろしいヤツラが、日本を襲撃しているらしい。ヒアリとか「火蟻」と言うと、何か得体の知れない怪物みたいだけど、実はこれはアメリカで呼ばれている名前の直訳で「Fire Ants」のこと。テキサスに住んでいる時に、この赤備えのデカい蟻には悩まされました

 普通、蟻や蜂は、こちらが何もしなければ、わざわざ襲って来ませんが、ファイア・アンツは、ただ歩いているだけで刺しに来るのです。うっかり芝に隠れた巣を踏んじゃったら、団体でワラワラ襲ってくる!刺されたら痛いのも嫌ですが、その後一週間くらい刺された痕がしこりのようになって、超!痒いのは更に嫌!!地面から来るので、噛まれるのは大抵、足なのですが、指の間や足の裏をやられると、本当に最悪!!

 裏庭に小さな土盛を見つけると、それは火蟻の巣。巣の横に毒入りの餌を巻いておくと、働き蟻達がせっせと巣に運び込み、一族滅亡の途を辿るのですが、これって物凄く無常な退治法だと思う。外界で戦士たちや運び屋たちが危険を冒しながら持ち帰った食料で生活している閉じられた社会が、何者かの悪意によって仕掛けられた毒を知らずに食料として持ち帰ったことにより、住民たちが次々と倒れ、遂には母なる女王の死により滅びていく…

 性本能機能が障害を起こし、世界中の男性が本能的に女性を殺してしまうSF短編を読んだことがあります(多分、ティプトリーJr.)が、これは、実際にハエの絶滅法である不妊虫放飼を、人間界に当てはめたお話でした。アリ駆除方法もSFにしたら、かなり救いのない話だ。

 今、中国では、蚊の駆除のために、この方法を実験中だとか。私は蚊とノミが大嫌いなので、大いに駆除して頂きたいのですが、世界中で最も多くの人間を殺している生物、蚊って、絶滅したら何か副作用ってあるのかしら?少なくとも、あの「ブ~ン」音を出さず、痒みを起こす成分を残していかないタイプに変異させることって可能なのかなぁ…


世界の火蟻生息地域地図だそうです

 と、また話が逸れに逸れておりますが(毎度のこと)、大阪と神戸の港で女王アリも見つかったとか。外来種ですし、しっかり駆除されればよいと思います。日本で大々的に報道されている通り、アナフィラキシーで生死にかかわる場合もあるそうですし。但し、蜂に刺された場合と同じで、誰もがアレルギー反応を起こして死ぬわけでもないので、無闇と恐怖心を煽るのも如何なものかと思いますが...

 火蟻の原産地アマゾンには天敵、ゾンビバエがいるのでバランスが保たれているのだそうで、火蟻駆除のためにゾンビバエ導入の可能性?なんて記事も見たけど