千曲川のうた

日本一の長河千曲川。その季節の表情を詩歌とともに。
人生は俳句と釣りさ。あ、それと愛。

林檎をいただいた

2019年05月13日 | いただきもの歳時記
林檎農家の同級生から林檎をいただきました。「ふじ」です。



今は5月、林檎畑では花の時季が過ぎて小さな実が着いている状態ですから、これはもちろん去年の林檎です。専用の冷蔵庫で保管されていた物なので、みずみずしさは失われていません。
とはいっても、旬の美味しさを望むのは無理というもの。味はだいぶ劣ります。
わたしは皮をむいて適当にカットしてから、たっぷりのレモン汁をかけて食べます。すると味にメリハリが付いてうまい。
冷蔵庫から出された林檎はどんどん劣化していくので、全部このように処理してビニール袋に入れて家の冷蔵庫に保管します。ま、保管といっても数日で全部食べちゃいますが。

林檎の果実は秋の季語。また冬林檎という季語もあります。

  刃を入るる隙なく林檎紅潮す 野澤節子
  俎を傷つけて割る冬林檎   今瀬剛一

しかし季節外れに食べる夏の林檎は季語にはならないし、まあ別に俳句に詠まなくてもいいですね。
念のために渉猟してみると、虚子の句がありました。

  夏の月皿の林檎の紅を失す  高浜虚子

季語は林檎ではなく「夏の月」ですが、月光を浴びた林檎が描かれています。
これは早生種の「祝」かなあ。このごろは見ませんが昔は「盆りんご」といってお盆のお供え用に8月初めに出荷されていました。収穫時は青い林檎ですが、日光と水を当てて赤くしていたように覚えています。



犬は果物には1ミリも興味をもたず、爆睡。