千曲川のうた

日本一の長河千曲川。その季節の表情を詩歌とともに。
人生は俳句と釣りさ。あ、それと愛。

アスパラガスをいただいた

2019年05月20日 | いただきもの歳時記
Mさんから朝採りのアスパラガスを頂戴しました。



もう90歳くらいかと思いますが、葡萄と野菜を作る現役バリバリ。無農薬が自慢のアスパラはいつもながら立派で美味しそうです。
さっと茹でてマヨネーズ、いいなあ。
フライパンでバター焼きにして黒胡椒を振ったのも、甘くて美味しいはずです。



根元の薄紫が美しい。

アスパラガスは春の季語です。

  アスパラガスのほのむらさきと掘りあげし 小池文子
  朝採りのアスパラガスのふぞろひに    増田みな子
  友を待つアスパラガスに肉巻いて     中戸川朝人

歳時記ではウドの次に排列されていることが多く、あるいはウドの傍題として扱われている場合もあります。そして歳時記にはアスパラガスの和名が「松葉独活」だと書いてある。そんな呼び方は聞いたことがないのですが、下の写真を見れば命名の理由が知れるでしょう。



アスパラガスは芽が出たところを収穫して食べてしまうわけですが、切らなかった茎は成長すると細かく枝分れして針状の葉をつけます。それは松葉に似ていなくもないから、不審な名前とは言えないですね。少なくとも「松葉蟹」や「松葉崩し」より明快ではあります。

  長女来て母と睦べり松葉独活     橋本鶏二
  うつくしき雪いただくや松葉独活   渡辺白泉

やがてクリーム色の地味な花が咲いて、秋には赤くてかわいい実がなります。冬枯の時季まで残った実はとても印象的ですね。

花や実を詠んだ句は多くはありませんが、実物を見慣れている人にはこの情趣がわかるのではないでしょうか。

  アスパラの葉にも花にも今朝の雨   飴山 實
  耕衣忌のアスパラガスの実が真つ赤  村上幸子

さて、私もアスパラ食ってがんばることにしよう。

  アッスッパーラでやりぬこーおォ!

  (古いなァ、うん古い。三木鶏郎だもん。)