日本全国大寒波による大雪でしたが、今朝奈良はシーズン最低となる－2.9℃
迄冷えこみ、積雪は僅かで同じ古都ですが雪の京都とはえらい違い。
12時、2.4℃、59％東の春日奥山上空には真っ黒な雪雲が見られるのに、この辺りの上空は雪雲が
通過して雪が舞ったりするも、サンルームからの暖気が部屋に入りぽかぽか、
でも外は西風が強く、最高気温も5.4℃だが、ほぼ4度台と厳寒の一日。
ルッコラに残る雪冬のならまち社寺巡りは、前回の芭蕉句碑「称念寺2D」を辞して、
「中将姫」関連の「誕生寺2E」「徳融寺2F」「高林寺2B」ですが・・・
中将姫とは、日本国語大辞典によれば
・奈良当麻(たいま)寺に伝わる当麻曼荼羅を織ったとされる伝説上の女性。
横佩(よこはき)の大臣・藤原豊成の娘で天平19年747年8月18日生まれ。
＊鎌足の孫藤原武智麻呂の長男「藤原豊成」、
夫妻が長谷寺観音に祈り姫君が誕生したと(中将姫行状記による)
・・・・・・
天平年間(729～749)当麻寺に入山し仏行に励んだ姫は、その徳により仏に
会い、一晩のうちに蓮華の糸で曼荼羅を織りあげ、極楽往生したと伝わる
姫の出家の動機を後妻による継子虐待の物語を歌舞伎、浄瑠璃、謡曲、能
「雲雀山」、お伽草子「中将姫の本地」など
・浄瑠璃「鶊山姫捨松(ひばりやまひめすてまつ)」の通称
元興寺文化財研究所『中将姫説話の調査研究報告書』によれば・・・
中世浄土教各派は、絵解きなどにより念仏を広めており、西山派の祖「証空」
は、当麻曼荼羅を転写して全国に広めたとされる。
『当麻曼荼羅疏』(1436)には、長谷観音の申し子として生まれた中将姫が、5歳
で母と死別し、継母に憎まれて捨てられ、やがて父の豊成と再会する。
内裏に入るが、后に迎えられる直前に無常を悟り当麻寺に入るという物語。
元興寺文化財研究所『中将姫説話の調査研究報告書』1983年によれば
この元は、『観無量寿経』の韋提希夫人の幽閉受難と仏陀による救済の説話を
中将姫に重ね合わせて浄土往生の道を示されたと考えている。
中将姫誕生地とされるのは、異香山法如院「誕生寺」で浄土宗の寺院
道路から少し入り込んだところに、門が見える。 
その前に三猿が彫られた石碑と、通常南向きなのに「北向薬師堂」がある。
風水の見地から北は悪い気が吹きだまる場所なので不適とされるが・・・。
薬師堂内、青面金剛を中心に左に薬師如来と？、右に弘法大師が祀られる。
門を入るとすぐ左手に稲荷神社がある。
本堂へと足を。この辺りでは「東木辻の三棟誕生寺」とも呼ばれ、本堂と左右に棟があるから？？？。
追記）三棟殿(みつむぬねでん)略縁起によれば
中将法如とその両親右大臣藤原豊成卿、紫の前の御殿が三つ並んでいたことで
その後元興寺の境内となったころは「誕生殿」として崇拝の対象になると。
本殿には中将法如自作と伝えられるご自身の坐像を安置。手を合わせる
（写真は掲載不可）
ほぼ土日だけ、城陽より庵主さんがおいでになり、平日は締められている。
ハスの糸で織られたものや位牌なども・・・・・
本堂裏へ回れば、「中将姫産湯の井戸」と「極楽堂」と墓石がありました。
「中将姫産湯の井戸」その背後に25菩薩像がユーモラスなお顔が目に。
極楽往生の姿をうつした25菩薩石像が配置され、極楽堂へと導かれている。
阿弥陀如来が祀られる極楽堂へお参りを
さて中将姫が亡くなられたのは・・・
宝亀六年(775)三月十四日、昼紫雲たなびき、異香薫ずる中、合掌し経を唱えるうちに、浄土往生を遂げられ、28歳のことと。(中将姫行状記による)
異香山誕生寺はここから？？？
＊34歳説(奈良絵本)、54歳説(奈良八重桜)もあると
次回はお墓のある「徳融寺」です。
