あの夜のこと
それは真夜中のことで、まず上田辺りで千曲川が決壊したと聞いた
避難指示が出ていた
次いで、篠ノ井で千曲川決壊と聞いた
いよいよ、篠ノ井・川中島の辺りも水が来たかと、さもありなんと思っていた
私はこの時に、赤沼という地のことを思い出しつつも、そうはならないだろうと思っていた
夜明け前のことだった、テレビで赤沼が浸水し始めていると聞いたのは
その時には既に千曲川の堤防は決壊していただろうし、その時点で押し寄せて来る濁流に成す術があったかというと、それは無かったろうと思う
そして、それを事前に察知できたかというと、到底できない話だとも思う
後日、様々な意見が飛び交う結果になったけど、それは難しい注文だなと思う次第で
一カ月も経って、ようやく現地に行く気になった
見た目には思ったより綺麗で、ほぼほぼ記憶のままの赤沼だったけど、
だからこそ余計にこれらが全て廃車になるしかない状況だと言われても信じることが出来ないままでいる
長野新幹線車両センター