先日、飯山鐡道と信濃川の発電所について調べるために、十日町まで行って来たのだった
今やそうそう気軽に行ける距離でも値段でもない
この日は朝から雨模様であったが、そもそもまだ現物を見てなかったJRの方の信濃川発電所を見に行こうとか、
十日町情報館で資料を調べようという体だったので天気はどうでも良い
後で見ればいいやとか、その時は興味なくてスルーしていたり流し読みしていた資料とか、
調べていくうちにあれもちゃんと読まなきゃってなるんで、こうして未だに魚沼へ行くことになる
さて、今日は全く別な話で、帰りがけに確認したあるモノについて
津南大割野の集落辺りを車で走ってる時に、ある人に言われてたことを思い出した
「桑名川の側線のレールって飯山鐡道時代からのものなんだよ。刻印が残ってる内に、
紙に鉛筆擦り付けて魚拓取りに行こうと思ってるんだけど、なかなか足が向かなくてさ。」
という、そんなまさかぁというくらいで、これも「後で見ればいいや」くらいのまま放置していた話なのである
その会話をしてから、10回以上は桑名川の駅前を通っているにも関わらずだ
折角近くに来たんだしと、桑名川の駅に立ち寄ることに決めた
そういえば、森宮野原も側線が残ってるし古レールあるかもと思って立ち寄るも、
構内踏切から見える範囲にレールの刻印すら見つけることが出来なかった
貨物ホームの方は草ぼうぼうで萎えてしまい、大して確認せずに森宮野原を出発
そして、桑名川へ
側線のレールの刻印を探す
あった!マジか!1921年って書いてある!スゲー!と雨の桑名川駅で1人で喜んだのは言うまでもない
当時、まだまだレールも輸入品だ
そして、1921年
飯山鐡道の豊野・飯山駅間の開業は1921年、飯山から延伸して桑名川・西大滝までの順次延伸開業が1923年
年代もドンピシャなのである
写真じゃわかりにくいが、刻印を文字に起こすと
OH TENNESSEE-6040-ASCE-11-1921
ちょっと古レールについて詳しくないので何を意味しているのかまったく分からない
古レールについてよく纏まっているサイト様を参照に簡単に解説すると
OHは平炉
TENNESSEはUS スチール会社テネシー製鉄所
6040は重さと断面形状
ASCEはアメリカ土木学会の規格
11-1921は1921年11月製造
ということらしい。
鉄道省、つまり国鉄が発注輸入したレールには末尾に「工」の刻印が入るらしいが、
それらしきものは見当たらなかったので、私鉄時代のものである可能性が極めて高い
私にはそれを判断することはできないけど、おそらく飯山鐡道時代からのレールだろう
古レールと言えば駅の屋根の支柱とか梁みたいに塗装もされて雨風も当たらない環境ならまだしも、
地面に設置されているレールにしては綺麗に刻印が残ってくれていて良かった
これらのレールの製造から、そしてこの区間の開業から間もなく100年になろうとする
まさか、飯山鐡道の先人たちも100年後にレールの刻印で喜んでる人がいるとは思わなかったろう
ひょっとしたら、開業当時の写真に写っているレールが現存しているのかもしれないと思うだけで、また飯山線に行きたくなる