この7月、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』以来2年ぶりにマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の新作映画が映画館に帰ってくる!
そこで、マーベルの映画について以下の4回に分けて書きました。最後となる今回はMCU以外のマーベル映画、そしてマルチバースについて書いておきます。
- ブラック・ウィドウ登場映画など
- MCUの映画 ――公開順や見る順番
- MCUのテレビシリーズ ――2013年~2020年と2021年以降
- マーベル映画とマルチバース(多元宇宙)
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日本の漫画と違い、アメコミではスーパーヒーローのシリーズは作者を変えて書き続けられるのが基本である。このため、長く続いたので作者も設定も変えてリニューアルしたりする。
設定が変わると前の作品とは違う世界となる。それぞれの世界は独立して存在していて、別の宇宙である。この別の宇宙との行き来は基本できない。
アメコミではこれを「多元宇宙論」(Multiverse)に当てはめ、「マルチバース」と呼んでいる。日本では世代によっては「パラレルワールド」と言ったほうが通じやすい概念だろう。
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そして、それぞれの世界には名前が付いており、「アース何々」(Earth-何々)とアースの後に数字を付けた名前をマーベルは付けている。(DCも基本的にはアースの後に数字を付けた名前を付けている)
例えば、1939年から出版されているマーベルコミックの正史の世界は「アース616」(Earth-616)、1992年~2015年に出版された2099年を舞台にしたコミックの世界は「アース928」(Earth-928)、2000年から現在まで出版されている「アルティメット」シリーズのコミックの世界は「アース1610」(Earth-1610)というようになっている。
そして、コミックの読者である我々のいる世界(リアルワールド)も「アース1218」(Earth-1218)と数字が振られている。
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別の宇宙との行き来は基本できないため、その作品にはその作品が属する世界のみが舞台であり、その世界の人物しか登場しない。
しかし、作品によっては別の世界と行き来できたり、別の世界のキャラクターが登場したりします。時には他社のコミックの世界と行き来したりも。
これは、別の世界に行ける能力を持った者が登場したり、何らかのテクノロジーを用いて別の世界に行けたり、事故や災害などによって別の世界に飛んでしまったりするためです。
タイムトラベル物が様々な理由・原因によって過去や未来に行けるように、マルチバース物でも様々な理由・原因によって別の世界に行ってしまうのです。
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漫画だけでなく、アニメもテレビドラマも映画もそれぞれ別の世界であり、それぞれ「アース何々」とナンバリングもされている。
アイアンマンやキャプテン・アメリカたちヒーローが登場してアベンジャーズとして活躍してきた現在の映画シリーズのMCUは、現時点では「アース199999」(Earth-199999)と名付けた世界のみを舞台にしています。
2016年にMCUにドクター・ストレンジが登場したことで、MCUにマルチバースの扉が開かれていくことになりそうです(ややこしくなるので後述)。
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この文章では「世界」(たまに「宇宙」)と書いているが、英語では "Reality" とされている( "Universe" と書くこともある)。しかし、この文章で「現実」と訳しても合わないように思うので、しばらくは「世界」のままでいきます(なぜ Reality となるのか、先ほどのと合わせて後述)。
「アース何々」の数字の前に "TRN" が付いていることがあるが、これは Temporary Reality Number の略。まだマーベルから公式に数字が振られてない世界(Reality)であるために、一時的に振られている非公式なナンバーであることを示している。
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なお、「アース何々」というのは、リアルワールドにいる我々が名付けてそう呼んでいるだけである。その世界の当の住人達は自分達が住む世界(Reality)にそんな名前が付いているなんて知る由もありません。
そんなわけで、マルチバース間を行き来する作品では、作品内に登場する各世界(Reality)にその作品独自の名称を付けていたりします。
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今までのマーベル映画について、主な舞台としている Reality の名前を付けて表にしました。
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まずは、スパイダーマン関連の主な映画について。
スパイダーマン関連の主な映画
世界の名前 Name of reality | 作品名 | 北米 公開年 | 備考 |
サム・ライミ監督版 |
Earth-96283 | 『スパイダーマン』 Spider-Man | 2002年 | ピーター役:トビー・マグワイア
(エディ役:トファー・グレイス 3作目のみ登場) |
『スパイダーマン2』 Spider-Man 2 | 2004年 |
『スパイダーマン3』 Spider-Man 3 | 2007年 |
マーク・ウェブ監督版 |
Earth-120703 | 『アメイジング・スパイダーマン』 The Amazing Spider-Man | 2012年 | ピーター役:アンドリュー・ガーフィールド |
『アメイジング・スパイダーマン2』 The Amazing Spider-Man 2 | 2014年 |
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU) スパイダーマン登場作品 |
Earth-199999 | 『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』 Captain America: Civil War | 2016年 | ピーター役:トム・ホランド |
『スパイダーマン:ホームカミング』 Spider-Man: Homecoming | 2017年 |
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』 Avengers: Infinity War | 2018年 |
『アベンジャーズ/エンドゲーム』 Avengers: Endgame | 2019年 |
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』 Spider-Man: Far From Home | 2019年 |
Spider-Man: No Way Home | 2021年 |
ソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクター(SPUMC) |
Earth-TRN688 | 『ヴェノム』 Venom | 2018年 | エディ役:トム・ハーディ |
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』 Venom: Let There Be Carnage | 2021年 |
『モービウス』 Morbius | 2022年 | モービウス役:ジャレッド・レト |
Kraven the Hunter | 2023年 | |
スパイダーバース(アニメーション作品) |
Earth-TRN700 | 『スパイダーマン:スパイダーバース』 Spider-Man: Into the Spider-Verse | 2018年 | Earth-TRN700~TRN705 のスパイダーマンらが共闘する |
| スパイダーバース続編 | 2022年 | |
マーベルはスパイダーマン関連の映画化権を1999年にソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントに売却した(この10年前の1989年にソニーはコロンビア・ピクチャーズを買収して映画会社を手に入れている)。
このため、マーベルが2008年から始めたMCUにはスパイダーマンが登場できなかった。しかし、マーベルとソニーがパートナーシップを結び、2016年のMCUの13作目『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』からMCUにもスパイダーマンが登場するようになった。
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今年公開のMCUの27作目 "Spider-Man: No Way Home" には、ドクター・ストレンジ、ドクター・オクトパス、エレクトロが登場する。
ドクター・オクトパスは、2004年の映画『スパイダーマン2』(Earth-96283)にも登場しており、そこで演じたアルフレッド・モリナが再演する。
エレクトロも、2014年の映画『アメイジング・スパイダーマン2』(Earth-120703)に登場しており、そこで演じていたジェイミー・フォックスも再演する。
このためドクター・ストレンジが絡んで、MCUの世界である Earth-199999 から過去の映画の世界に繋がってしまうのだろうか。
MCUでは2022年3月に公開の「ドクター・ストレンジ」2作目の原題が "Doctor Strange in the Multiverse of Madness" となっており、本格的にマルチバースを扱うことが予想されるが、それより先に「スパイダーマン」でマルチバースが描かれるのか見所である。
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なお、DCの映画でも別の世界である過去の映画シリーズに出演した俳優が同じ役で出ることが分かっている。
2022年11月公開予定の映画 "The Flash" はコミックの "Flashpoint" を原作にしており、マルチバース間を行き来するフラッシュが描かれる作品。「DCエクステンデッド・ユニバース」(DCEU)の映画シリーズなので、ベン・アフレック演じる Earth-Prime のバットマン(ブルース・ウェイン)が引き続き登場する。
しかし、それだけではなくキャストには映画『バットマン』 Batman (1989年) と『バットマン リターンズ』 Batman Returns (1992年) でバットマン(ブルース・ウェイン)を演じたマイケル・キートンも同役を再演する。(DCでは世界の名前の付け方がマーベルより複雑になります。マイケル・キートンのバットマンが住む世界は、テレビシリーズのアローバース内では Earth-89(コミックの Earth-89 とは異なる世界)と呼んでいるが、DCEU内ではまた別の呼び方になるはず。)
DCはテレビシリーズのアローバース内でも2019年12月からのクロスオーバー・イベント「クライシス・オン・インフィニット・アース」(原作は1985年~1986年の同名コミック)において、アローバース以前の昔の映画やテレビの登場人物から最新のDCEUのフラッシュまで登場する壮大なマルチバースを描いていた。
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ソニーは2018年からコミックのスパイダーマンに登場する悪役キャラを主人公にした映画のユニバース「ソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクター」(Earth-TRN688)を始めた。そこにいずれはトム・ホランド演じるMCU版スパイダーマンも登場させたい意向だ。
もしかしたら今年公開のMCU版スパイダーマン3作目 "Spider-Man: No Way Home" のラストで、Earth-199999 から Earth-TRN688 にも繋がるような出来事が起こるかもしれない。
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アニメーション作品ではマルチバースの複数の世界の間を行き来する映画『スパイダーマン:スパイダーバース』が2018年に作られており、第91回アカデミー賞や第46回アニー賞の長編アニメーション作品賞などを受賞するなど高い評価を得ている。
マルチバースの異なる世界から来たキャラクター達をそれぞれ異なる画のタッチで描いて、ひと目で分かるようになっており、マルチバースを知らなかった人にも親しみやすい作品となっていてオススメである。
なお、劇中では各世界の名前が E-1610、E-616、E-65、E-90214、E-14512、E-8311と表示されるシーンがあるが、この名称は劇中の世界で付けている名前であり、映画を観ている我々リアルワールドの住人が付けている名前とは異なる。
ちなみに、エンドクレジットのシーンでは我々リアルワールドの住人が付けている「アース何々」という名前を把握してる人物らが登場する。彼らが次作以降で主人公たちにもし合流できたら、劇中の世界の名称も我々と共通の「アース何々」という名前になるかもしれない。
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次は、X-MEN関連の映画について。
X-MENのスピンオフ映画
世界の名前 Name of reality | 作品名 | 北米 公開年 | 備考 |
ウルヴァリン三部作 |
Earth-10005 | 『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』 X-Men Origins: Wolverine | 2009年 | X-MENオリジナル三部作の時間軸 |
『ウルヴァリン:SAMURAI』 The Wolverine | 2013年 |
Earth-17315 | 『LOGAN/ローガン』 Logan | 2017年 | 前作とは異なる時間軸 |
ニュー・ミュータント |
Earth-TRN414 | 『ニュー・ミュータント』 The New Mutants | 2020年 | 施設にいる5人の若者を主人公としたスピンオフ |
デッドプール シリーズ |
Earth-TRN414 | 『デッドプール』 Deadpool | 2016年 | 「フューチャー&パスト」で生まれた時間軸 |
Earth-41633 | 『デッドプール2』 Deadpool 2 | 2018年 | 前作とは異なる時間軸 |
マーベルはX-MEN関連の映画化権を1994年に20世紀フォックスに売却した。
このため、マーベルが2008年から始めたMCUにはX-MEN関連のキャラクターのほとんどが登場できなかった。なお、クイックシルバー(ピエトロ・マキシモフ、ピーター・マキシモフ)だけはMCUにも登場してる。
マーベル・エンターテインメントは2009年にウォルト・ディズニー・カンパニーに買収される。
20世紀フォックスは、親会社のニューズ・コーポレーションの分社化で2013年に設立された21世紀フォックスの傘下となる。しかし、21世紀フォックスの映画・テレビ部門がウォルト・ディズニー・カンパニーに買収され、2019年からディズニー傘下となる。そして、2020年には社名からフォックスの名前も外れ「20世紀スタジオ」となった。
20世紀フォックスがディズニー傘下になったことで、マーベルの元にX-MEN関連の映画化権が戻ってきたため、今後はX-MEN関連のキャラクターがMCUに登場するかも知れない。
なお、ディズニーはX-MEN関連の映画は「デッドプール」シリーズのみ継続することを発表。他のシリーズはこれを機に終了することとなった。
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X-MENシリーズは1作目だけ劇場公開時のタイトル表記が『X-メン』。邦題に英単語をアルファベットのまま表記する事がまだ相当珍しかった時代。というか、『X-MEN2』が簡単な単語ならアルファベットのまま映画の題名に入れるのを普及させたと言えるだろう。
メイン・シリーズ(とここでは呼ばせてもらう)は、2011年にキャストを一新した前日譚シリーズを始める。2014年の「フューチャー&パスト」では、旧キャストが近未来を舞台に登場してミュータントが殲滅される危機が映画冒頭に描かれ、彼らが前日譚シリーズの新キャストの時代の過去を改変を試みる物語となっている。これにより新しい時間軸が生まれ、Earth-TRN414 という世界が登場する。
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問題はスピンオフである。X-MENの人気キャラクターであるウルヴァリンを主人公にした映画をヒュー・ジャックマン主演で3本作る。「フューチャー&パスト」以前に作られた2本はメイン・シリーズと同じ世界を舞台にしている。
しかし、ウルヴァリンの3作目はメイン・シリーズとは異なる世界である。現時点で Earth-17315 を舞台にした作品はこの映画『LOGAN/ローガン』のみである。
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「デッドプール」の1作目と『ニュー・ミュータント』は、「フューチャー&パスト」で生まれた Earth-TRN414 が舞台。
ややこしいのは、ライアン・レイノルズ演じるデッドプールは現時点で『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』『デッドプール』『デッドプール2』に登場するが、いずれも異なる Reality を舞台にしている。
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次は、スパイダーマン関連でも、X-MEN関連でも、MCUでもないマーベル映画について。
上記以外の日本で劇場公開された非MCUの主なマーベル映画
世界の名前 Name of reality | 作品名 | 北米 公開年 | 備考 |
ハワード・ザ・ダック |
Earth-58470 | 『ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀』 Howard the Duck | 1986年 | 製作総指揮:ジョージ・ルーカス |
パニッシャー |
Earth-58627 | 『パニッシャー』 The Punisher | 1989年 | 主演:ドルフ・ラングレン |
Earth-58732 | 『パニッシャー』 The Punisher | 2004年 | 主演:トム・ジェーン |
Earth-TRN011 | 『パニッシャー:ウォー・ゾーン』 Punisher: War Zone | 2008年 | 主演:レイ・スティーヴンソン |
ブレイド |
Earth-26320 | 『ブレイド』 Blade | 1998年 | 主演:ウェズリー・スナイプス |
『ブレイド2』 Blade II | 2002年 |
『ブレイド3』 Blade: Trinity | 2004年 |
デアデビル |
Earth-701306 | 『デアデビル』 Daredevil | 2003年 | 主演:ベン・アフレック |
『エレクトラ』 Elektra | 2005年 | 主演:ジェニファー・ガーナー |
超人ハルク |
Earth-400083 | 『ハルク』 Hulk | 2003年 | 主演:エリック・バナ |
ファンタスティック・フォー |
Earth-121698 | 『ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]』 Fantastic Four | 2005年 | 主演: ヨアン・グリフィズ ジェシカ・アルバ クリス・エヴァンス マイケル・チクリス |
『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』 4: Rise of the Silver Surfer | 2007年 |
Earth-TRN554 | 『ファンタスティック・フォー』 Fantastic Four | 2015年 | リブート版 主演: マイルズ・テラー ケイト・マーラ マイケル・B・ジョーダン ジェイミー・ベル |
ゴーストライダー |
Earth-121347 | 『ゴーストライダー』 Ghost Rider | 2007年 | 主演:ニコラス・ケイジ |
『ゴーストライダー2』 Ghost Rider: Spirit of Vengeance | 2011年 |
ビッグ・ヒーロー・シックス |
Earth-14123 | 『ベイマックス』 Big Hero 6 | 2014年 | ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ作品 |
「ハワード・ザ・ダック」は、MCU(Earth-199999)では10作目『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、15作目『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』、22作目『アベンジャーズ/エンドゲーム』にチラッと登場している。
「パニッシャー」は、MCUではテレビシリーズ『Marvel パニッシャー』(2シーズン、全26話)でジョン・バーンサル主演で描かれた。
「ブレイド」の映画化権はマーベルに戻っており、MCUではマハーシャラ・アリ主演での映画化が企画段階にある。
「デアデビル」の映画化権はマーベルに戻っており、MCUではテレビシリーズ『Marvel デアデビル』(3シーズン、全39話)でチャーリー・コックス主演で描かれた。
「ハルク」は、MCUでは2作目『インクレディブル・ハルク』でエドワード・ノートン主演で描かれ、その後はマーク・ラファロが「アベンジャーズ」シリーズと17作目『マイティ・ソー バトルロイヤル』で演じている。
「ファンタスティック・フォー」の映画化権を持っていた20世紀フォックスがディズニー傘下となり、MCUでは2023年に「ファンタスティック・フォー」の映画が公開される予定。
◆ ◆ ◆
最後に、この文章の最初のほうで後述すると書いていた件について。
2016年のMCUの14作目『ドクター・ストレンジ』の中でマルチバースがすでに描かれています。しかし、それは「アース何々」といった名称が付けられてる Reality(現実)とは別のものです。
ドクター・ストレンジの映画1作目で描かれてるのは、別の Dimension(次元)です。
主に登場するのは、Astral Dimension(アストラル次元:精神が肉体を離れて存在する次元)、Mirror Dimension(ミラー次元:現実と鏡映しになっている次元)、Dark Dimension(暗黒次元:簡単に言えば地獄みたいなもの)の3つです。
アストラル次元は、2018年のMCUの18作目『ブラックパンサー』でも、すでに亡くなった人と出会う場所として印象的に登場しました。
『ドクター・ストレンジ』には他にも Actiniaria Dimension、Flowering Incense Dimension、Grass Jelly Dimension、Mandelibus Dimension などの次元が登場します。
また、『ドクター・ストレンジ』には Quantum Realm(量子世界:超ミクロの世界で時間の流れなど物理法則が現実世界とは異なる)も登場しました。こちらも Dimension(次元)の中に含まれるようですが、Realm(領域とでも訳すか)という名前が付いてますね。
Quantum Realm(量子世界)は、2015年のMCUの12作目『アントマン』で初めてMCUに登場。その後も「アントマン&ワスプ」のシリーズや彼らが登場する映画で描かれています。
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このように、マーベルの世界には数々の Reality(現実)だけでなく幾つもの Dimension(次元、Realm なども含む)も存在しています。これらすべてを含めて Multiverse(マルチバース、多元宇宙)なのです。
2022年に公開されるMCUの28作目にして「ドクター・ストレンジ」の2作目の原題は "Doctor Strange in the Multiverse of Madness" となってますが、この題名にあるマルチバースとは1作目で描かれたような Dimension(次元)のことだけなのか、それとも「アース何々」とナンバリングされた Reality(現実)も指すのかはまだ分かりません。
フェーズ4以降のMCUに Earth-199999 以外の Reality(現実)が登場するのかどうか、今後が楽しみです。
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参考に、上にあげたアースを数字の若い順に並べてみました。映画の本数はMCU以外はここであげた映画の数です。MCUは2019年までに公開された数です。
マーベル映画のアース一覧
世界の名前 Name of reality | 本数 | 作品名など |
Earth-10005 | 7 | 『X-MEN』メインシリーズの最初の時間軸 |
Earth-14123 | 1 | 『ベイマックス』 |
Earth-17315 | 1 | 『LOGAN/ローガン』 |
Earth-26320 | 3 | 『ブレイド』シリーズ |
Earth-41633 | 1 | 『デッドプール2』 |
Earth-58470 | 1 | 『ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀』 |
Earth-58627 | 1 | 『パニッシャー』1989年版 |
Earth-58732 | 1 | 『パニッシャー』2004年版 |
Earth-96283 | 3 | 『スパイダーマン』サム・ライミ監督版シリーズ |
Earth-120703 | 3 | 『アメイジング・スパイダーマン』マーク・ウェブ監督版シリーズ |
Earth-121347 | 2 | 『ゴーストライダー』シリーズ |
Earth-121698 | 2 | 『ファンタスティック・フォー』2000年代版シリーズ |
Earth-199999 | 23 | マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU) |
Earth-400083 | 1 | 『ハルク』2003年版 |
Earth-701306 | 2 | 『デアデビル』シリーズ |
Earth-TRN011 | 1 | 『パニッシャー』2008年版 |
Earth-TRN414 | 5 | 『X-MEN』メインシリーズの過去改変後の時間軸 |
Earth-TRN554 | 1 | 『ファンタスティック・フォー』2010年代版 |
Earth-TRN688 | 4 | ソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクター(SPUMC) |
Earth-TRN700 | 1 | 『スパイダーバース』 |
Earth-TRN701 | 1 | 『スパイダーバース』の登場人物の出身世界 |
Earth-TRN702 |
Earth-TRN703 |
Earth-TRN704 |
Earth-TRN705 |
参照: