Situation Normal

忘れないように……

電子ブックリーダーの逆輸入的人気

2009-12-25 11:00:00 | 
今朝の朝日新聞を開くと、Amazon(アマゾン)の「Kindle」(キンドル)とソニーの「Sony Reader」(ソニー・リーダー)の写真が目に入りました。「メディア衆論 テレビとネット、悩ましき関係」という座談会(?)が載ってるオピニオン面です。

コンテンツ・ビジネスにおけるハードとソフトについての話で、「Hulu」(フール)や「Vevo」(ベボ)の話題が出た後、Amazon.comの電子書籍の専用端末「Kindle」(キンドル)の話題に及び、日本テレビの土屋さんが「ソニーも欧米で電子ブックリーダーを出したし、アップルも投入するという」と発言したことを受けての写真掲載でした。

キンドルの後を追ってソニーが出したようにも受け取れる文章でした。本当は、アメリカで「Sony Reader」(ソニー・リーダー)が売れたのを受けて、Amazon.com(米アマゾン)が電子書籍端末に乗り出したのになぁ。

というわけで、最近の電子書籍専用端末(電子書籍リーダー、電子ブックリーダーとも呼ばれます)の歴史を簡単に振り返ります。
  • 2004年2月、松下電器産業(現パナソニック)が「ΣBook」(シグマブック)を日本で発売(参照
  • 2004年4月、ソニーが「LIBRIé」(リブリエ)を日本で発売(参照
  • 2006年9月、米ソニーがアメリカ版LIBRIé(リブリエ)の「Sony Reader」(ソニー・リーダー)PRS-500を米国で発売(参照
  • 2007年11月、Amazon.com(米アマゾン)が「Kindle」(キンドル)を米国で発売(参照
  • 2008年9月、ソニーが「Sony Reader」(ソニー・リーダー)PRS-505を英国で発売
  • 2008年11月、米ソニーがタッチスクリーンの「Sony Reader」(ソニー・リーダー)PRS-700を米国で発売
  • 2009年8月、米ソニーがポケット・エディションの「Sony Reader」(ソニー・リーダー)PRS-300とタッチスクリーンのPRS-600を米国で発売(参照
  • 2009年10月、Amazon.com(米アマゾン)が「Kindle」(キンドル)を日本を含む世界各国で発売(参照
  • 2009年12月、米ソニーが3G通信機能つきの「Sony Reader」(ソニー・リーダー)PRS-900を米国で発売(参照


日本で2004年に出た「ΣBook」(シグマブック)「LIBRIé」(リブリエ)はそれほどヒットしませんでした。2006年にアメリカで「Sony Reader」(ソニー・リーダー)を出して向こうで話題になっても、日本では話題にならず。「Sony Reader」(ソニー・リーダー)が人気となって売れて続々と新機種が出ても、これも日本では話題にならず。ところが、Amazon.com(米アマゾン)の「Kindle」(キンドル)が出ると話題に。

まぁ、「ΣBook」や「LIBRIé」は端末やソフトの販売方法などもネックとなって、日本では人気が出なかったと思います。しかし、ガジェット好きな人たちの間での日本での「Kindle」(キンドル)人気は意外で、ビックリしました。

現在、アメリカでは続々と色んな会社から電子書籍端末が出てきています。果たして日本ではどうなるんでしょうなぁ。


追記:
「Kindle」(キンドル)は携帯電話の3Gネットワークにつながることで、パソコンがなくても電子書籍を立ち読みしたり、購入したり、新聞雑誌の電子版を配信してもらったりできるようにしたのが、これまでの電子書籍端末になかった点でした。

さらに「Kindle」は日本でも携帯電話の3G端末用のネットワークにつながるのですが、「Sony Reader Daily Edition」は日本の3Gネットワークにはつながるのかどうか気になるのですが、どうなんでしょう?

あと、2008年7月1日のものですが、以下の記事を見つけたのでリンクを貼っておきます。
電子書籍端末売れず──ソニーと松下が事実上撤退 - ITmedia News

夜行列車(1959年/ポーランド)

2009-12-15 12:04:16 | 映画 - 作品
先日、風邪で日中寝込んだせいで夜眠れず、テレビをつけたらモノクロの古い映画をNHK BS2で放送していた。見始めたらやめられず、最後まで観てしまった。好みの分かれるところだろうが、私にとっては、まれに見る傑作でした。こんな映画があるなんて全然知らなかった。

『夜行列車』(1959年/ポーランド)
  • 原題:Pociąg
  • 英語題:Night Train (もしくは Baltic Express)
  • アメリカ盤DVDジャケット画像
  • 監督・共同脚本:イェジー・カワレロウィッチ(カヴァレロヴィチの表記も)
  • 共同脚本:イェジー・ルトフスキー
  • 撮影:ヤン・ラスコフスキー
  • 音楽:アンジェイ・トシャスコフスキー
  • 出演:ルチーナ・ヴィニエツカ、レオン・ニェムチック、ズビグニエフ・チブルスキー ほか
  • 衛星映画劇場 BS2 12月13日(日)午前1:30~午前3:08(12日深夜)(ポーランド語/字幕スーパー/白黒/スタンダード・サイズ)で鑑賞

2007年の第20回東京国際映画祭のコンペティション部門で観た『トリック』 SZTUCZKi / Tricks が、個人的に2007年ベスト1作品と思うほど良かったので、それ以後ポーランド映画を観るようにしてます。

旧作でもアンジェイ・ワイダ、ポランスキー、キェシロフスキ、イエジー・スコリモフスキといった監督は知っていたのですが、他にも傑作が数多くありそうで、恐るべしポーランド映画(そして恐るべし深夜の衛星映画劇場)。


参照:
映画 夜行列車 - allcinema
Night Train (1959 film) - Wikipedia - ウィキペディア英語版
Pociag (1959) - The Internet Movie Database (IMDb)
 現在、ユーザー評は320票で平均8.1点(10点満点)
Amazon.com: Night Train (Pociag) - アメリカ盤DVD(注:リージョンコードは1)


ちなみに『トリック』は、主演のダミアン・ウルが第20回東京国際映画祭にて最優秀男優賞を受賞しました(作品紹介)。アンジェイ・ヤキモフスキ監督の次回作はまだかなぁ。期待して待ってます。

【追記】
『夜行列車』の日本盤DVDが、紀伊國屋書店のレーベルから2010年6月26日に発売されることになりました。嬉しいですね。

Amazon.co.jp: 夜行列車 [DVD]

映画館でのデジタル4K上映開始

2009-12-10 12:54:12 | 映画館
映画館で「デジタル上映」という文字を見かけるが、画質に関してはピンキリだ。フィルムを使わないで、デジタルプロジェクターによって上映されれば、すべてデジタル上映と呼べるからだ。このため、DVD並みやHDTV(地デジetc.)並みのものから、従来の映画館の35mmフィルム上映に近いものまである。

一番普及しているのは、テキサス・インスツルメンツ(略称 TI)の「DLP Cinema」だろう。たいていのDLP Cinemaは、解像度が2K(横2048×縦1080画素)の画像である(2003年にDLP Cinemaに2Kのチップが導入された)。DLPとはプロジェクタの方式のことで、DLP CinemaではないDLPプロジェクタの映画館もあるので注意が必要(DLP Cinemaを導入している映画館はDLP® Cinema® - 一覧 - TIを参照)。

7月10日からは映画館へのデジタルシネマ配信サービスまで始まった。NTTスマートコネクト社による「PURE CINEMA」(ピュア・シネマ)だ(日経BPのITproの記事NTTスマートコネクト社によるサービス概要)。個人的には、この画像はちょっと受け付けなかった(上映機材にもよるのだろうけど)。

そんな中、シネコンのT・ジョイ大泉(東京都練馬区)が、4K映像を上映できるプロジェクターを導入した。
T・ジョイ(東映グループ)が大泉にて導入した「SRX-R220」は、ソニーの「“CineAlta 4K” デジタルシネマ上映用」のプロジェクター。横4096×縦2160画素という4K映像が上映できる。
  • 国内初・DCI仕様準拠の “4K” デジタルシネマ上映システムを発売、ソニー、2007年4月25日
    独自開発の超高精細反射型液晶ディスプレイデバイス「4K SXRD (Silicon X-tal Reflective Display・写真)」の搭載により、フルHDの207万画素(横1920画素・縦1080画素)の4倍超・885万画素(横4096画素・縦2160 画素)での上映を実現。映像の基本3原色RGB(赤・緑・青色)毎に同デバイスを使用、豊かな色再現性共に、2000:1以上の高コントラストを実現しています。

CineAlta 4Kが日本で初めて使われたのは、TOHOシネマズ六本木ヒルズ・SCREEN 7での『スパイダーマン3』のワールドプレミア(2007年4月16日)。日比谷スカラ座(現・TOHOシネマズ スカラ座)での『バイオハザードIII』(2007年11月3日~)と、丸の内ピカデリー1での『ハンコック』(2008年8月23・24日、30日~)の劇場公開時にもCineAlta 4Kが使われており、上映を観ることができた。DLP Cinemaとはまた違った印象で、好みが分かれるように思った。

“CineAlta 4K” デジタルシネマ上映用機材は、今回のT・ジョイ大泉が映画館として国内初導入という。2007年5月1日から受注販売の開始から、2年半経ってやっと売れたわけだ。当初は、3年で1000台の国内出荷を目指していた(ITmediaの記事参照)が、映画館以外にはどのくらい売れたのだろうか。今後、映画館に普及していくかどうか、気になるところ。

デジタル上映の3D作品が公開されるようになり、上映館も増え、デジタル上映は広がっている。映画館側は、公式サイトのスケジュールや映画館場内などで、単に「デジタル上映」と表記せず、「2K」や「4K」といった画質に関する表記もしてくれるようになって欲しい(フィルム上映でも何ミリのフィルムか書いてくれるとありがたい)。

最後に、色んなデジタル上映を観たけど、個人的にはまだまだフィルム上映の映像の方が好きです。流れとしては映画館の上映のデジタル化は避けられないのだろうけど、「なくなるな、フィルム!」と言いたいです。

3D字幕版もある「カールじいさん」と「クリスマス・キャロル」

2009-12-04 13:00:04 | 観たい映画
12月5日(土)から公開のピクサー最新作『カールじいさんの空飛ぶ家』 Up ですが、3Dの字幕版の上映もあり、以下の4バージョンでの公開となります(公式サイトの劇場情報)。
  • 3D 字幕版 (立体映像、英語音声・日本語字幕)
  • 3D 吹替版 (立体映像、日本語音声に吹き替え)
  • 2D 字幕版 (英語音声・日本語字幕)
  • 2D 吹替版 (日本語音声に吹き替え)
IMAX以外でのデジタル3D上映の劇映画は、たいてい3D吹替・2D字幕・2D吹替での上映でした。3Dで観たいけど、下手な日本語吹き替えはちょっと……と思っていた人も多かったと思います。これから3D字幕版の上映が増えることを願います。

あと、公開中の『DISNEY'S クリスマス・キャロル』 A Christmas Carol でも、IMAXデジタルでの3D 字幕版の上映が先週から始まっており、以下の5つのバージョンでの公開となってます。
  • IMAXデジタル3D 字幕版
  • IMAXデジタル3D 吹替版
  • 通常3D 吹替版
  • 通常2D 字幕版
  • 通常2D 吹替版
ただ、IMAX以外での3D上映館のうちシネコンでは、『カールじいさんの空飛ぶ家』の3D上映が始まるため『クリスマス・キャロル』の3D上映が終了する館が多そう。


最後に、『カールじいさんの空飛ぶ家』(3D 字幕版)を上映する劇場を載せておきます。
    【TOHOシネマズ以外】
  • 東京: 新宿ピカデリー、ユナイテッド・シネマ豊洲
  • 千葉: シネマイクスピアリ(舞浜)
  • 近畿: OSシネマズ ミント神戸、ジストシネマ和歌山
    【TOHOシネマズ】
  • 《東北》 おいらせ下田、秋田
  • 《関東》東京: 日劇(銀座・有楽町)、六本木ヒルズ、西新井、錦糸町、府中、南大沢
  •     神奈川: ららぽーと横浜、川崎、海老名、小田原
  •     千葉: 流山おおたかの森、市川コルトンプラザ、船橋ららぽーと、八千代緑が丘
  •     その他: 水戸内原、ひたちなか、宇都宮
  • 《甲信越・北陸》 ファボーレ富山、高岡
  • 《東海》静岡: 浜松、サンストリート浜北、ららぽーと磐田
  •     愛知: 名古屋ベイシテイ、東浦、木曽川
  •     その他: モレラ岐阜
  • 《近畿》大阪: 梅田、なんば、泉北、鳳
  •     京都: 二条
  •     兵庫: 西宮OS、伊丹
  •     その他: 橿原
  • 《中国》 岡南、緑井
  • 《四国》 高知
  • 《九州》 トリアス久山、直方、長崎、はません、光の森、大分わさだ、与次郎


参照:公式サイトの劇場情報