アカデミー賞の主要部門にノミネートされた作品の原作小説についてまとめてみました。
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
原題:
The Curious Case of Benjamin Button
監督:デビッド・フィンチャー
日本公開:2009年2月7日(土)
ノミネート:作品・監督・主演男優・助演女優・脚色・撮影・編集・美術・衣裳デザイン・メイクアップ・作曲・録音・視覚効果(計13部門)
原作者:F・スコット・フィッツジェラルド
F. Scott Fitzgerald (1896-1940)
原作名:
The Curious Case of Benjamin Button (短編小説)
発表年:1921年(Collier's誌)
その他:
短編集
Tales of the Jazz Age (1922) に所収。
ただし、翻訳された『ジャズ・エイジの物語』には所収されてないようです。
テキスト:以下のリンク先から原文全文が読めます。
The Curious Case of Benjamin Button - Wikisource
Tales of the Jazz Age by F. Scott Fitzgerald - Project Gutenberg
Internet Archive: Details: Tales of the jazz age
翻訳:
都甲幸治 訳『
ベンジャミン・バトン 数奇な人生』イースト・プレス、2009年1月22日
永山篤一 訳『
ベンジャミン・バトン 数奇な人生』角川文庫、2009年1月24日
『スラムドッグ$ミリオネア』
原題:
Slumdog Millionaire
監督:ダニー・ボイル
日本公開:2009年4月
ノミネート:作品・監督・脚色・撮影・編集・作曲・歌曲(2曲)・録音・音響編集
原作者:ヴィカス・スワラップ
Vikas Swarup (विकास स्वरूप) (1963- )
原作名:
Q and A
発表年:2005年
テキスト:以下のリンク先で少し読むことができます。
冒頭部分(英語) -「Read an Excerpt」か「Read a Sample Chapter」をクリック
目次(日本語)
翻訳:
子安亜弥 訳『
ぼくと1ルピーの神様』ランダムハウス講談社、2006年9月13日
『愛を読むひと』
原題:
The Reader
日本公開:2009年6月19日(金)
ノミネート:作品・監督・主演女優・脚色・撮影
原作者:ベルンハルト・シュリンク
Bernhard Schlink (1944- )
原作名:
Der Vorleser (英語題:
The Reader )
発表年:1995年(ドイツ)
その他:第54回 毎日出版文化賞 特別賞
テキスト:以下のリンク先で少し読むことができます。
第1章~第3章(英語) - 「Read an Excerpt」か「Read a Sample Chapter」をクリック
第1章~第2章(日本語)
第6章(日本語)
翻訳:
松永美穂 訳『
朗読者』新潮クレスト・ブックス、2000年4月26日
松永美穂 訳『
朗読者』新潮文庫、2003年6月1日
『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』
原題:
Revolutionary Road
監督:サム・メンデス
日本公開:2009年1月24日(土)
ノミネート:助演男優・美術・衣裳デザイン
原作者:リチャード・イエーツ
Richard Yates (1926-1992)
原作名:
Revolutionary Road
発表年:1961年
その他:1962年の全米図書賞の最終候補作
テキスト:以下のリンク先で少し読むことができます。
第1章(英語) - 「Read an Excerpt」をクリック
翻訳:
村松潔 訳『
家族の終わりに』ヴィレッジブックス、2008年4月19日
村松潔 訳『
レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』ヴィレッジブックス文庫、2008年12月15日
青木千鶴 訳『
レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』ハヤカワ文庫NV、2008年12月10日
なお、脚色賞にノミネートの『フロスト×ニクソン』
Frost/Nixon と『ダウト あるカトリック学校で』
Doubt は舞台の映画化。
映画『フロスト×ニクソン』は、舞台の脚本を書いたピーター・モーガン自身が脚色を手がけている。ピーター・モーガンは『クィーン』
The Queen (2006) や『ブーリン家の姉妹』
The Other Boleyn Girl (2008) の脚本で知られている。
映画『ダウト あるカトリック学校で』は、舞台の脚本を書いたジョン・パトリック・シャンリー自身が監督・脚色も手がけている。監督するのは『ジョー、満月の島へ行く』
Joe Versus the Volcano (1990) 以来2度目。
あと、短編アニメーション部門にノミネートされた加藤久仁生の『つみきのいえ』は、監督自身による描き下ろしが
絵本『つみきのいえ』となって出ています。
外国語映画賞に日本映画『おくりびと』がノミネートされています。この映画に原作のクレジットはありませんが、原作は1994年度地方出版文化功労賞を受賞した青木新門『納棺夫日記』(
桂書房)です。
現在は加筆された『
定本 納棺夫日記』が刊行されています。加筆前のものには
文春文庫版がある。なお、別の人が書いたノベライゼーション(脚本を小説化したもの)が小学館文庫から出ているので、原作と間違えないように。