東大阪で居酒屋「二歩」を営む育ての父・誠一、母の怜子と3人で明るく暮らしていた生稲怜花。「母親の失明の原因を知りたくないか」ある日、「なにわ新報社」の雑誌記者の矢島から不穏な誘いを受けたのだ。11年前、高熱で生死の境をさまよった母は、入院先の三品病院で新型抗インフルエンザ薬を処方され、なんとか一命を取り留めたものの、視力を失ってしまったのだ。「怜子の失明の原因を調べている」という・矢島から新聞の切り抜きを手渡された怜花。そこには、三品病院系列の老人ホーム「なごみ苑」でインフルエンザ患者2名が死亡したとの報道が。「お母ちゃんの目が見えへんようになったんは、新薬のせいなのか、副作用なのか、医療ミスなのか。」閉ざした過去と向き合い、真相を追う怜花・・・。
怜花のキャラが浅慮なのに賢明で且つ善良であると勘違いしてるような困ったちゃんキャラで他の登場者も善悪が不鮮明、後半の伏線のためにそうしているのだろうが中途半端で展開も遅く何故かイライラして読み進めにくかった。医療製薬分野や治験のことも理解しにくかった。
「その道しかないこと嘆くより,それをしかないことを歓びに変える努力をしてきたかと。何もかも揃っていることはいいことですが、それに感謝できなければ何もつかめない。自分に残った感覚にこれしかないという愛おしさと感謝の気持ちが強いから、そこを磨いたんだ・・・」(P312)
2017年5月講談社刊
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