大物彫刻家が遺した縮小模型・彫刻マケット、素人の蔵に眠っていた重文級の屏風、デッドストックのヴィンテージ・アロハシャツ、狩野派日本画、殷青銅器に古銭・・・。「こいつは金になる。」出し抜いて儲けてやろうと考えている、古美術業界の掘り出し物にたかる、欲深き人びと。だましだまされ、最後に笑うのは誰だ・・・6つ美術ミステリー連作集!
『マケット』『上代裂』『ヒタチヤ ロイヤル』『栖芳写し』『乾隆御墨』『鶯文六花形盒子』の短編
狐と狸の化かしあい。出てくる人間全員くせ者で、どいつもこいつも人を騙して金儲けしてやろうとする。骨董、古美術の裏側。偽物つくりの現場、最近は3Dプリンタを使った偽物まであるなんて・・・。TVでよくみる「なんでも鑑定団」の舞台裏側を小説で覗き見た感じ。また表紙の絵に騙されました、芸子さんの登場シーンは出て来ません。
2020年12月文藝春秋社刊
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