読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

麻生幾著「観月」

2021-02-13 | あ行
警察小説。主人公は杵築の武家屋敷「大原邸」の職員として勤務する28歳の女性、波田野七海。大分県杵築市では中秋の名月に幻想的な光に包まれる「観月祭」の開催を前に、街は活気に満ちていた。しかし、祭りの一週間前、大分県警別府中央署刑事首藤涼の恋人で地元の名産品七島藺(しちとうい)作家の波田野七海が突如襲われる。その翌日には、七海の顔なじみのパン屋の妻、熊坂久美が絞殺体で発見される。さらにこの殺人事件と時を同じくして、東京の多摩川沿いで首なし死体が見つかる・・・。杵築と東京。遠く離れた2カ所で起きた、一見無関係な殺人事件が結びついたとき、20年前歴史の水面下で繰り広げられてきた、国家とその敵の壮絶な暗闘が浮かび上がる。「観月祭」の準備が進む杵築の城下町を主舞台に、旅情ミステリーの体裁をとりながら、公安警察のリアルに迫った謎解きだが、ツッコミ処有のリアリテー欠如が気にかかった。
2020年12月文藝春秋刊

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 天王山-誕生山登山 | トップ | 鏑木蓮著「残月」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

あ行」カテゴリの最新記事