読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

中山七里著「能面検事の奮迅」

2023-06-07 | な行
大阪地検一級検事の不破俊太郎シリーズ第2弾。どんな圧力にも屈せず、微塵も表情を変えないことから、陰で「能面」と呼ばれている不破俊太郎は忖度しない、空気を読まない、 完全無欠の司法マシン。事務官の総領美晴と、政治とカネの闇にかき消された真実を暴く。モリカケ・近畿財務局。国有地払い下げ・大阪地検・決裁文書改竄とくれば安倍の絡むあの話かと思ったが見事に裏切られて、過去の秘密を手がかりに事件の真相の謎が解き明かされる展開。一切の私情を挟まず、現場に執着して起訴か不起訴かを見極めることに全力を尽くす仕事ぶりに感服。事実が明らかになっても罪を公平に正しく裁く難しさを痛感、忖度しないが結末の読後感は晴れやかでした。検察ミステリー続編の第3弾「能面検事の死闘」が楽しみ。
2021年7月光文社刊


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