読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

末浦広海著「捜査官」

2010-10-30 | さ行
2008年「訣別の森」で江戸川乱歩賞受賞。受賞後第一作作品。
青森県警の似顔絵が得意な捜査官・杉沢洋二は、かって世話になり事故死した成瀬の子息成瀬公大が警察庁警備局の警視正として青森に乗り込んで来た。
青森県で行なわれる国際会議の警備担当として指揮を執るためだ。
核廃棄物最終処分場建設反対派が起こすテロを警戒中起きた連続殺人事件、手口が二十三年前のある事件と同じ・・・。
県警、テロを取り締まる公安との軋轢、核廃棄物処理施設の警備をする警備保障会社と天下り、そして反対派に潜り込ませた“エス”の存在など
・・・・さまざまに絡み合う思惑と過去の事件結び問題を解くきっかけになったのは、・・・・。
文中ところどころに描かれる登場人物の似顔絵がヒントになるのだろうというのは予想が付いた。
横山秀夫著の「顔」でも警察官が描く似顔絵が取り上げられていたがこの本でも重要な役割を持たせている。
中東のテロ組織との関連や原発の必要性や核廃棄物最終処分場をめぐる問題などグローバルな関連性や関係を背景にした社会派推理小説になりえたのに町を二分する賛成反対住民の描き方が中途半端に終り突っ込み不足だった。
視点を他に求めたのが残念だったがそれなりに面白く読めた。

2009年9月講談社刊

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