猫にまつわる7つの短編集。猫の浩太は、一家の長男・浩美と生まれたときからずっと一緒。もう20歳を超えるけど、年齢を感じさせないピカピカの毛並みがご自慢。いつも醤油にひたした肉球で、テーブルクロスにハンコをペタペタ。さて、念入りな肉球ハンコのわけがあった・・・表題作「みとりねこ」。社会生活能力がかなり不足している啓介さんが赤ちゃんと子猫といっしょに成長していく話・・・・「シュレーディンガーの猫」。『旅猫リポート』外伝2編「ハチジカン」と「こぼれたび」。沖縄の猫の島で、出会った島猫。継母をお母さんと呼びそうで呼ばないリョウ・・・「猫の島」。他にクラゲに無慈悲で猫に慈悲の父の話・・・・「粉飾決算」他に「トムめ」。猫目線のお話ばかりだがクスッと笑えて、ウルッと泣けて。ほっこりと作者の眼差しの温かいお話でした。
2021年8月講談社刊
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます