主人公はある事情から警察を辞め企業危機管理専門会社TCR(東京Crisis Response)に就職した長須恭介。クライアントの大手総合商社テイゲンに、同社と旧ソ連の不適切な関係を指摘する文書が届いた。現会長の糸山が、30年前に旧ソ連のスパイ活動を行ったというものだった。犯人からの要求は現金10億円。警察に届けるわけにいかないテイゲンは、秘密裏に危機管理会社「TCR」に解決を依頼してきた。元刑事の長須が真相究明に動き出す。脅迫状に添付されていた業務日誌は、テイゲンがかつて社内で使用していた公式用箋にワープロ打ちされたものだった。果たして犯人の狙いは何か。長須は、正義と職務遂行の狭間で揺れながら、巨大企業の“闇”に挑む展開。
「一々、事前に全部決めないとやれないのか?それで失敗したら、やり直しが大変だろう。むしろダメージが大きくなるぞ。その場その場で、反射神経で判断するのも大事なことだ」(P216)
設定に違和感がる部分もあったが登場人物の心理を解りやすく描かれていて人生に躓いて再生していく 主人公に感情移入しやすかったし、他のメンバーのキャラも特徴的で面白い、続編化出来そうな設定で面白かった。
2016年9月角川書店刊
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