加賀の新参者シリーズ「家族の物語」。
バツイチ独身、自由が丘で喫茶店を営む女性「花塚弥生」が店で殺された。加賀恭一郎と従弟の松宮脩平が捜査しても被害者に関する手がかりは「あんないい人が」という善人情報だけ。捜査線上に浮上した常連客だったひとりの男。災害で二人の子供を失った彼は、深い悩みを抱えていた。容疑者たちの複雑な運命に、若き松宮刑事が挑む。一方、金沢で一人の男性が息を引き取ろうとしていた。彼の遺言書には松宮の名前があった。彼女や彼が追い求めた希望とは何だったのか。勘違い「がんばったらいいじゃない。きっと巡り合えるから」(P311)読んでいるうちに、次から次と新たな謎が生まれ出てストリーに引き込まれる展開で面白かった。絶望から立ち直るために不妊治療の末に得た娘の秘密、血縁、親子、家族…いろんなことを考えさせられる物語でした。加賀よりも松宮刑事が主人公の物語です。
2019年7月講談社刊
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