主人公は、被害者の一人娘で進行役の神尾真世と、被害者の弟で探偵役の神尾武史。武史は以前有名なブラックショーマン・手品師だ。名もなき町。ほとんどの人が訪れたこともなく、訪れようともしない町。けれど、この町は寂れてはいても観光地で、再び客を呼ぶための華々しい計画が進行中だったのだが、多くの住民の期待を集めていた計画は、世界中を襲ったコロナウイルスの蔓延により頓挫。町は望みを絶たれてしまう。そんなタイミングで殺人事件が発生。犯人はもちろん、犯行の流れも謎だらけ。当然だが、警察は、被害者遺族にも関係者にも捜査過程を教えてくれない。いったい、何が起こったのか。「俺は自分の手で、警察より先に真相を突き止めたいと思っている」。颯爽とあらわれた〝黒い魔術師〟が人を喰ったような知恵と仕掛けを駆使して、犯人と警察に挑む。そう「謎を解くためなら、手段を選ばない!」のだ。キャラも面白くストーリーは軽快でテンポよく進み、飽きずに一気読みできたが犯人は途中で予想が付いたが・・・。人には表面と違った意外な裏側があるものですね。
2020年11月光文社刊
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