SFありファンタジーありの多彩な短編ミステリーが9つ。初詣に出かけた夫婦が元日事件に巻き込まれる・・・「正月の決意」、10年前に一方的に振られた女からの連絡・・・「10年目のバレンタイデー」、愛娘の結婚を控えて苦悩する父親が、雛人形を巡る、ささやかな謎へ挑むミステリー・・・「今夜は一人で雛祭り」、合コンで知り合ったキャバ嬢の・・・「君の瞳に乾杯」、近未来SF・・・「レンタルベビー」、闇のアルバイト・・・「壊れた時計」、少女と猫の時を経ても変わらぬ友情が幸福を呼ぶ、神社で出会う猫との物語、・・・「サファイアの奇跡」、ツリーに十字架ってタブー・・・「クリスマスミステリ」、夢を追う息子と反対する父の物語、親の子への情愛を描いたファンタジー・・・「水晶の数珠」。つい思い浮かべてしまう妄想の具現化だったり、似ている誰かだったり読み心地はさまざま、日常の倦怠をほぐします。意外性と機知に富み、四季折々の風物を織り込んだ、極上の短編集。たった一度の奇跡、私なら何に使うかなぁ~。短い話の中での意外な結末に驚かされます。さすがでした。2017年4月光文社刊
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