読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
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五十嵐貴久著「波濤の城」

2018-09-29 | あ行

消防士・神谷夏美シーリーズ第2弾。第1弾1974年の映画「タワーリング・インフェルノ」をオマジュした「炎の塔」。今回は1972年映画「ポセイドン・アドベンチャー」に触発されたというパニック小説。

五日間の休暇がとれた銀座第一消防署の消防士・神谷夏美と柳雅代は、贅沢な船旅を張り込んだ。“神戸発釜山行き、豪華客船レインボー号で行く魅惑のショートクルーズ”全長三百メートル、十一階建ての威容に圧倒されるも、非常設備の不備や通路の狭さなどに不安を覚える。一方、船長の山野辺は、経営難の会社から、種子島にカジノを誘致する計画の第一人者・民自党の石倉代議士を接待し、新航路を獲得するよう厳命されていた。山野辺は、支援者のために洋上で花火を打ち上げたいという石倉の希望に添うべく種子島沖へ航路を変更。だが、数時間後、異音と共に排水が逆流し船が傾斜。その上、南洋にあった巨大台風が大きく進路を変え、後方に迫り始めていた。豪華客船の沈没に遭遇した船員や乗客たちの生き様を描いた群像小説。映画の名シーン、タイタニック号や韓国のセマウル号の沈没シーンを思い浮かべながら緊迫の脱出劇を楽しめた。

2017年10月祥伝社刊


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