冤罪をテーマにした社会派サスペンス小説。弁護士や学者などのスペシャリストで構成された団体「チーム・ゼロ」が冤罪被害者の救済活動に取り組んでいた。そこに無実を訴える一通の手紙が届く。それは平成8年に岐阜県郡上郡で起きた一家四人殺害事件の犯人として、死刑判決を受けた死刑囚・宮原からのものだった。理想に燃える若手弁護士・藤嶋翔太は事件について調べ始め、信頼の置けない科学捜査や心理的なバイアスなど、様々な要素から難攻不落の再審請求に挑む。・・・先入観が働いて事象にバイアスが掛かってしまうこと、先入観なく事実に基づく判断することの難しさを痛感させられた一冊でした。読んでいて何度か自分の思い込みがひっくり返され、そうだったのかと思ってしまう展開で面白く読めました。
2021年10月角川書店刊
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