ならおうは穏やかに語る

Fly Fishingを中心に難しい話からヨタ話まで支離滅裂な雑文。
(09/08/23カウンターを付けました。)

つたないコンサル経験談

2005-10-02 17:42:31 | Weblog
私のつたないコンサル経験を書いてみます。
【登場人物】
ならおう・・・私。
A社・・・プランニング、デザイン、企画などの会社。経営者と私が知り合い。
B社・・・A社の取引先。流通業。
C社・・・ウェブコンサルティング?

数年前、A社の社長から電話があった。

「ならおうさん。コンピュータとかインターネットとかよう知ってるやん。ちょっと助けてくれへん?」

「社長、いったいどないしたん。ウィルスにでも感染しましたんか?」

「ちゃうちゃう。うちはMacやしウィルス対策は完璧やで。」

「そやったね。で用件は?」

「うちの顧客のB社さんのことやねん。うちがホームページの作成請けたんやけど、既にB社さんにサーバとか入れてはるC社さんがホームページのアップロードを待てとか訳の判らないこと言いはるねん。うちとしても出来たホームページの確認したいやん。サクサク動くとか。」

「そらそやな。特に自社サーバやったら回線が問題やな。光回線でも引いてるん?」
「それがADSLなんよ。でね、B社さんが言うには今までほったらかしやったのにうちがアップロードさせてくれと伝えた途端にメンテとかセキュリティとかパッチとかアップデートとかで技術者が入り浸ってるらしい。」
「それは今までさぼってた定常業務を急にやってあせってるからやろ。待ってたらええやん。」

「そうもいかんわ。うちも納期があるし、B社さんはメンテ内容も伝えてくれへんからC社を疑ってるしね。一度B社さんと会ってくれへん?」

「へ?俺が?俺そういう商売してへんやん。その分野のプロちゃうし。」

「いやいや、うちより知識があるやん。もうB社にうちの先生紹介するって言うてあるねん」

「社長、旨いこと言うなぁ。しゃぁない。会うだけやで。プロのC社とやり合えるわけ無いしな」


と言うわけでA社長の顔をつぶさないために、変な依頼を引き受けてしまった。
後日A社でA社長、B社長と打ち合わせを持った。

その場でB社長は私にC社の代替わりとネットワーク保守を要請してきたが断った。
私の本業は別にあり、A社長へのアドバイザーという立場に過ぎないこと。従ってそういう業務は出来ない事を明確にした。またA社もそういう業務は守備範囲外であり、ホームページの作成、イラスト、レイアウト、企画がメインであることを伝えた。

B社長は少し落胆していたが、ネット関連の色んな話をしているうちに面白いことを言った。

「私もサーバにアクセスできる権限があってIDとPWがあるんです」

「それならB社長ご自身でアップデートできますし、サーバの中身も見放題ですよ。」

だがB社長はサーバーどころかディレクトリとファイルの概念もイマイチのようで、

「うちはメールが使えたらよいんです。ホームページがある方がお客さんに知ってもらえますやん。」
「B社さんのそのご要望を満たすのならホスティングサービス、レンタルサーバーを用いられた方が自社サーバを構築するよりも良いと思います。A社もそのようにしておりますし、何も問題は発生しておりません。もっと金をかけないのならNiftyとかBiglobeとかでホームページを持てばよいわけですね。ただその場合アドレスがniftyとかになります。自社サーバ構築の場合メンテが自己責任になります。B社さんの様に自社サーバのメンテをC社さんに外注した場合、C社さんの言うなりの費用がかかりますね。」

「そこなんですよ。ですからこのIDとPWでうちのサーバを一度見てください」
「そう言われましても勝手にアクセスするわけにはいきません。このIDとPWはお納めください」(簡単なID/PWで驚いた)


なんてやりとりの結果A社からアクセスしてみることにした。
アドレスは自社アドレスを登録されていたので、とりあえずC:とか入れてみた。
・一部のディレクトリにPWブロックがかかっている。
・どう考えてもゲームのデータ蓄積フォルダがある。
・*.exeと*.dll 等が多いフォルダがある。
・*.txtや*.logがあるが、英数字の固まりでまるでウィルスファイルみたい。
と言う状況。しかしindexとかupdateとかのホルダがない。
このままFetchでA社の作ったホームページをアップデートしてやろうかと思ったが、それはやめた。

B社長は「C社は私がコンピュータを判らないと思って好き勝手にやっているのでしょうか。」と訴えた。それは事実だが
「C社さんのメンテで確認作業しているのかも知れませんよ
と縁のない会社を擁護してみたが、B社長は
「騙された」

とつぶやいた。

そしてもっと驚くべき事態が判明した。サーバの構築費用が数百万円というのだ。
そしてそのサーバはWindows 2000で動いていたのだ。
なお、HDD容量40GB、Pentium3 800MHz。このスペックで数百万円。
さらに毎月数十万円のメンテ費用をぼったくられていた。

必要な機能はホームページとメール。強烈なオーバースペックだ。

そして私とA社長はホスティングサービスを薦めることにした。
・既に自己サーバがあるがメンテ等はC社に牛耳られていること。
・サーバの乗り換えでもアドレスネームは維持できる。
・ホスティングサービスの営業によく相談すること。
・メールは必要なモノをCDR等に落としておけばよい。

とB社長に託すことにした。だが、B社に弱みはある。

・C社に自社サーバを置きたいとC社に言ってしまった。
・サーバの管理はC社に一任した契約だった。

サーバそのものはきちんと稼働しているのでC社は特に問題はない。
あと数日すればよくわからないフォルダやファイルは消去されてホームページのアップロードを許可するだろう。問題はシステム管理の外注。つまりB社のミスである。

あと、流通業なので自社管理車両の現在位置確認システムを入れたいと言っていたが、これはGPS携帯でカバーできる問題。

そして私たちはあとはB社が頑張るしかないと念を押して別れた。

数日後A社にC社から電話が入った。
「営業妨害してもらったら困るなぁ」
「何を言うか。判断材料を提供したに過ぎない。判断したのはB社だ。矛先を間違えるな」
とC社から弱い文句があっただけでした。

B社はC社との契約を破棄し、サーバーを引き揚げさせたらしい。もしかしたら持ち込んだサーバが既に中古品だった可能性も否定できません。

この件はBもCも悪いのですが、Cが最も悪いでしょう。
Cはオーバースペックなモノを売りつけてそのメンテで収入を得ようとした。
Bはよくわからないまま契約し、それをオーバースペックと知って解約した。
Bの「よくわからないまま契約」というのがCに変な色気を出させたし、
将来的なバージョンアップを臭わせたのも不味かったです。

今できること、やりたいことの為に投資して、間違ってたら即撤退。これがネットワーク関連の投資になります。もしかしたら?で拡張機能をつけても数年後にはそのやり方が無くなっているかも知れません。
結局、自分が何をやりたいのか明確にしないとあかんということですな。

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