セミナーでやっていることの一部を紹介する「カバラと『生命の木』」は第3回からの続き。第4回は「生命の木」に現れる第1の三角形について。
マグレガー・メイザースはケテルについて
「無限の光の無限なる大海はある中心から広がったものではない。それは中心を持たないからである。だがそれは1つの中心へと集中する。これが第1の顕現『セフィラ・ケテル』、『王冠』、『最初のセフィラ』である」
と述べ、H・P・ブラヴァツキーは「円の中にある点」という言葉で顕現世界の「最初の生成」を表現している。しかしケテルは空間内の具体的な1点を表しているわけではない。未顕現の3つのベールの中のアイン・ソフ・アウルは「どこにでも中心を持つがどこにも円周を持たない円」と呼ばれてきた。これは思考を超越した概念だが、そこからブラヴァツキーの言葉に立ち返ると、ケテルが未顕現の状態から何らかの存在へと移行したことが読み取れる。
未顕現は常にある圧力を持ってケテルへと流れていき、やがて時が来てそこに霊的向上が起こると「最初の顕現」という単純な存在形式が生じる。よって次の変転はそれが組織化された高度な存在に変わることであり、この新しい状態は存在の様態の変化を表す。ケテルが無限の光(アイン・ソフ・アウル)から結晶化したように、ケテルから結晶化して相対的複雑さという新しい存在様態を持つに至ったものが第2のセフィラ、コクマーである。
ケテルがコクマーに流れるのと同じようにコクマーは第3セフィラ、ビナーへと流れ、その結果、三角形が形作られる。これが「生命の木」における第1の三角形であり、「至高の三角形」、「最初の三位一体」とも呼ばれる。そして、それらは残りのセフィロトとはアビス(深淵)によって隔てられている。よって普通の人間の意識ではそこに至ることはできないが、そこに我々の目に隠された存在の根がある。
「至高の三角形」を形成する3つのセフィロト、ケテル、コクマー、ビナーはそれぞれ「王冠」、「知恵」、「理解」を象徴するが、これらとともに通常「生命の木」には表されることのない不可視のセフィラ、ダートがあり、それは「知識」を象徴する。このダートは他のセフィロトとは異なる次元に存在し、これら4つのセフィロトは全体として四面体をなしている。そしてこれら4つは全て頭に関する象徴的な意味を持つことから、元型的人間における最高の意識状態を表しているとされる。
ケテルから分化するコクマーとビナーをカバリスト達はそれぞれ「アッバ(至高なる父)」、「アマ(至高なる母)」と呼ぶ。実際、コクマーは能動性、男性的潜在力、そして力、ビナーは受動性、女性的潜在力、そして形を表す(力を受けて、それを形にして生み出す、というところからもビナーが母であることがわかる)。
またコクマーには黄道十二宮、ビナーには土星が配当されるが、前者は空間、後者は時間という概念と対応していて、この2つのセフィロトによって時空間が表されている。
また、これらのセフィロトと身体との対応関係もあるが、それについてはセミナーのダイジェスト動画で。
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