もうすぐ終わってしまうが、今期のアニメではフジテレビのノイタミナ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(あの花)』が一押しの1本だと思う。キャラのビジュアルや派手なバトルとかではなく純粋に物語の面白さで見せる作品は、そのまま作り手の力量が出てしまうが、『あの花』には今の日本のアニメの作り手のレベルの高さが表れていた。
では『この花』のED、「secret base ~君がくれたもの~ 10 years after Ver SP」(何がSPなのかはYouTubeの「もっと見る」を参照されたし)をバックに、簡単にストーリーを紹介しよう。なお、これは決してホラーではないので、誤解なきように。
舞台は多分、秩父のどこか。宿見(やどみ)仁太(ジンタン)、本間芽衣子(メンマ)、安城鳴子(アナル)、松雪集(あつむ)(ユキアツ)、鶴見知利子(ツルコ)、久川鉄道(ポッポ)の5人は幼なじみで、小さい頃、「秘密基地」と名付けた建物に集まって「超平和バスターズ」を結成していた(本来「バスター」とは「退治する」という意味なのだが、小さかった彼らは意味がわからないまま、言葉の響きがカッコイイというだけで使っていた)。しかし、そんな毎日は突然のメンマの死という出来事によって断ち切られ、彼らは「秘密基地」に集まることをやめ、会うこともほとんどなくなった。
それから時は流れ、彼らは15歳になった。ジンタンとアナルは同じ高校に入ったが、ジンタンはほどなくして不登校に。今は家に引きこもってゲームで無為に時間をつぶす日々。アナルは無理に背伸びしてギャルたちとつるんでいるが、そんな自分に正直、疲れている。ユキアツとツルコは県下有数の同じ進学校に通い、2人とも成績は学年トップクラス。ポッポは進学せず、バイトして金を貯めては世界放浪の旅に出る暮らしだ(ちなみに日本にいる時は、あの「秘密基地」だった建物を住み家にしている)。
そんなある日、ジンタンの前に突然、死んだはずのメンマの霊が、死んだときの幼い姿でなく15歳に成長した姿で現れ、ジンタンと一緒に暮らし始める。メンマの霊はラーメンも食べ、蒸しパンも作る(笑)が、その姿はジンタンにしか見えない。
メンマが成仏するには「お願い」をかなえる必要があるらしい。当のメンマですらわからない、その「お願い」をかなえるため、ジンタンは再び「超平和バスターズ」だった仲間たちと接触するのだが、「ジンタンだけに見える死んだはずのメンマ」という存在が、彼らやその周囲の人たちの未だ消えることのない心の痛みを引き出していくことになる。
そして物語は終盤に向けて「メンマのお願い」を成就するために元「超平和バスターズ」の面々が動き出すのだが、その中で、あの日メンマはなぜ死んだのか?、メンマすら知らない本当の「願い」とは?、という謎とともに、彼ら一人ひとりのメンマに対する複雑な思いが交錯する。
『あの花』のキモは、「小さかった頃の出来事に、思春期になった彼らが心の痛みとともに向き合う」という物語構造にある。例えば、「もう老人になった彼らが少年時代を回想する」だと、老人の視聴者には響くかもしれないが若い人にはあまり実感が湧かないだろう。「思春期の彼らの目を通して見た少年時代の記憶」だからこそ、見る人がどの世代であっても、登場人物たちの姿を通じて、まるで自分の過去を追体験しているかのように物語の世界に入ることができる。まさにこの物語構造は魔術的と言っていい。
アニメに限らず1回見たら「もういいや」となる作品は多いが、『この花』は(放送が深夜なので録画して見ているが)何回も繰り返し見てしまう。そして見返すたびに改めてシミジミ感じるものがあるという、まるでスルメのような作品だ。本当はそのよさを言語化したいのだが、残念ながら私の文章力ではとてもかなわないし、そんな無粋なことをしても意味がないと思う。ま、とにかく一度見てくださいな。
といっても、いきなり最終回だけで見ても仕方がないので、見逃した方はDVDが出たら、それを借りるか買うかして見ましょう(金を払うだけの価値はあると思う)。
でも、まずはどんなものか試してみたいという方にはこういうサイトもある。検索タイトルはAnoHanaだ。
さーて7月からはテレ東で『夏目友人帳 参』が始まるぜ。
そうですか。メンマは無事にみつかりましたか。
「メンマ、見ぃつけたあ~」
先生のお陰で、観そびれる事無く
堪能させて戴きました!
やっぱり可愛い子は
差を付けたり
独占したりはしないのですよね。
三つ子の魂百まで
人間、あんまり成長しないものだなと
なんだか
ホッとしました。
>烏丸少将文麿 JAKより上手い太刀使いは凄かったですね!
成田三樹夫は決して主役を張れる役者ではありませんでしたかが、脇役としては主役を喰う存在感を示しましたね。
早くに亡くなってしまい、本当に残念でなりません。
すぐに書けるsokyudo先生が怖い。笑
烏丸少将文麿 JAKより上手い太刀使いは
凄かったですね!
『柳生一族の陰謀』と『影の軍団』で
馬術をしたようなnanahoshiです。 笑
そう言えば、志穂美悦子、『柳生一族の陰謀』に出てたなぁ──ということでYouTubeを探してみたら、映画版の動画は消されてしまっていましたが、TV版のOP発見!
画質は悪いですが→http://www.youtube.com/watch?v=m1G9eQRrFRY
『柳生一族』は、特に故・成田三樹夫の演じた烏丸少将文麿(あやまろ)の異様さが大好きでした。
変換をよく見ていませんでした。
憧れと言うか
神の様なものですから・・・・・
真田博之との子でもいたら
今のアクション界や格闘技界も
違って来たのでは?と
ついつい思ってしまいます。
そう言えば、なぜか?
巡恋歌が好きでした。
先生の選曲で
こちらも聞けました。
志穂美悦子(←確か字はこっちです)、懐かしいなー。確かにカッコよかったです。長渕剛の奥さんになってしまいましたが。
じゃ、そんなことを思い出しながら長渕剛の『GOOD-BYE 青春』でも聴きましょうか。
→http://www.youtube.com/watch?v=3X-IvvEzX_A
人生を大きく左右するんですね。
nanahoshiの幼年期も
可愛い子が近くに居たら良かったのですが・・・。
幼年期から志保美悦子が好きで
JAKに入るつもりだったのを
思い出しました。 笑
お、そうでしたか。じゃ、次回が最終回じゃないですか。
本文も「あとは最終回を残すのみ」のところで書いたので、ネタバレしてなくてよかったー。
余計なことは何も書きませんので、最終回、お楽しみに
土曜日深夜
まだ、ロケット花火を
打ち上げたものの
メンマが成仏しない!
って所でした。
あぶないあぶない!
毎週録画に致しました。 笑
>たまに観ていましたが、もう終わってしまったんですか?
『あの花』、11回でしたから。
でも終わっても盛り上がっていて、めんまが『NEWTYPE』の表紙を飾ってる他、OPとEDがオリコンでベスト10入り、『ダ・ヴィンチ』では特集記事が組まれ、更に原作者による書き下ろし小説も出るとか。
そのうち私も、「『あの花』はまだ終わらない」なんて記事を書くことになるかも
ブラウザーをupdateしてから
なんだか使いにくく
御無沙汰しておりました。