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著者名 :太田蘭三 発行年(西暦) :2004 年
出版社 :角川文庫 値段 :500-600円
お薦め度 :☆☆☆☆+α
今年の2月に『白の處刑』を讀んで以來の太田蘭三作品。
太田蘭三といへば、私にとつては『脱獄山脈』。
その次に面白かつたのが、今囘の『死に花』だ。
この作品では、山も釣りもさほど絡んでこない。
主人公は老人ホームに入所してゐる「老人」達である。
彼らは自らの「老い」を認めた上で、最後の「死に花」を咲かせやうとする。
そして、その「死に花」たるや・・・
これまでの經驗や智慧を活かしての、人生最後の大バクチ!
さて、このバクチは、果して成功するのか?
主人公はいづれもひと癖もふた癖もある老人達で、彼らの言動そのものが面白い。
爺さんと婆さんのセックスまで描かれてゐるが、それもまた一興。
「老いる」とはどういふことなのか。
そんなことを考へさせられた。
北多摩署の蟹澤警部と相馬刑事が登場するのも、太田蘭三ファンには嬉しいところ。
ちなみに、この作品は映畫化され、5月8日から全國の東映系で上映されてゐる。
2004年4月30日網走にて讀了
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