【大相撲初場所】 １０日目 ： 日馬富士 ○－● 白鵬 （上手投げ）

あの磐石の相撲を取り續けてゐた横綱・白鵬が、よもや不調の新大關・日馬富士に土をつけられるとは思はなかつた。
立合ひ、日馬富士はすぐに兩前みつを引き、さらに左を差してまわしの深いところを引いて、右は淺く前みつ。
横綱は右上手を引かうとするが、日馬富士はそれを許さない。
最後は、日馬富士が左からの下手投げを打ち、右手で横綱の右膝を押さへつけながら横綱の態勢を崩して、そのまま寄り切り。
じつに巧い相撲を見せた。
こんなに巧い相撲が取れるのに、序盤でこれほど負けてゐるといふことが、むしろ不思議だ。

朝青龍は大關・琴光喜を押出しで破り全勝を守つた。
琴光喜はせつかく右の上手を引いたのに、攻めが遲く、これでは勝てよう筈もない。
琴光喜は負け越し決定。
勝つた朝青龍は左肘を氣にしてゐたが、大丈夫だらうか？

１敗の大關・琴歐州は大關・千代大海に押出しで破れ、２敗目。
この相撲、千代大海の突進力が見事だつた。
千代大海は勝ち越しまであと１勝となつた。

私が期待してゐる把瑠都は、豪栄道と對戰。
まつたく良いところなく負けてしまつた。
諸差しになられて、カンヌキにきめて出ようとしたが、途中で捲替へに行つたところを一氣に出られてしまつた。
把瑠都は下手に拘はることなく、とにかく廻しを引くことに集中すべきだと思ふ。
さうでないと、かいな力を活かすことが出來ない。

ところで。
東の力士溜りのすぐ斜後ろに見たことのある顏を見つけた。
かつての阪神部屋の田淵氏である。
からだがでかいだけに、顏も大きい。
３０年前だつたら力士と間違へたかも。



＜全勝＞
横綱・朝青龍、

＜１敗＞
横綱・白鵬、前頭12・栃煌山

＜２敗＞
大關・琴歐州、前頭15・玉乃島



中入り後の取組 （Yahoo!スポーツ）