仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

【仕事搜し】 完プー状態

2010-05-10 23:48:22 | 再就職記
ゴールデンウィーク明け、たて續けに2つ惡い報せに接して、氣持ちが縮こまつてしまつた。
それ以來、ともすると暗澹とした思ひが心を占め、夜は明け方まで眠れなかつたり徹夜したりの生活が續いた。
やうやく、少し立直つてきたので、これを書いておかうと思ふ。


ゴールデンウィーク前、2つの企業に書類應募してゐた。

ひとつは、選考へのステップとして4月22日に經營コンサルタントに會つた、企業A社。
もうひとつは、とある轉職支援サイトを通じ、人材バンクからスカウトメールが來て應募した企業B社。

兩者ともに、小さい組織ながらもひとつの部門をマネジメントするポジションで、條件も私の希望を滿してゐるか、ほぼそれに近い。
さらに通勤時間も1時間前後と申し分ない。
遠いはうのA社は1時間15分ほどかかるが、途中で甲子園を經由するので、野球觀戰に都合が良い。

といふわけで、私としてはこの半年の活動のなかで、もつとも希望を抱いた案件であつた。


ゴールデンウィーク明けの6日、B社をオファーして來た人材バンクの擔當者から電話があつた。
結果は期待に添へないといふもの。
複數の應募者の中での相對評價による結果だとこと。
「相對評價」といふ言葉はもう聞き飽きた。
あらかじめ設定された條件を滿してゐない候補者でない限り、「相對評價」でない選考などあるものか。
「相對評價」で落ちたのですよと聞かされても、それでは理由がわかることにはならない。
まあ、わかつたからと云つていまさらどうしようもないのだが。

じつは、この人材バンクは、私が再就職を始めるに際して、最初に登録したエージェントだ。
キャリアシートに「うつ」で休職してゐた事實を書くべきかどうか相談を持ちかけた。
すると、それを書くと企業は2の足を踏むでせうね、といふ。
書かなくても不實記載にはあたらないけれども、聞いてしまつたからには知らないふりは出來ないので書いて貰はないと困る、といふ。
ああ、そんなことならわざわざ相談なんかするのではなかつた・・・
案の定、最初の1ヵ月ほどで2~3社紹介されたが、いづれも面接には進めなかつた。

今囘の案件を紹介してくれたのは、同じ人材バンクでも別の組織に屬する擔當者だつた。
彼女は私が既にその人材バンクに登録してゐることを知らずにスカウトメールを寄越して來たのだつた。
社内情報で私の病歴を知つた彼女は、私のキャリアシートから該當する部分を削除して企業に送ると云つた。
私としてはありがたいことであつたが、彼女の行爲は社内規定から逸脱する行爲だつたと思ふ。
もしかすると、私にはさう云つたものの、果してさうしたのかどうか。
疑心暗鬼になる自分がイヤになる。


まあ、いいさ、まだA社がある。
A社の經營コンサルタントの社長と面談した時の感觸は良かつた。
きつと面接には進める筈だ。
さう思つてゐたら、翌日(7日)に、間に入つてゐる轉職エージェントからメールが來た。
A社から經營コンサルタントの社長に聯絡が入り、社長から轉職エージェントに電話があり、轉職エージェントから私にメールが來たといふ、なんとも長い旅路の果てに屆いた報せだ。
結果はアウト。
A社の判斷は「オーバースペック」。
これは初めて聞いた理由だ。
A社の想定してゐるポジションでは私に役不足、といふことなのか。
そんなに買ひ被られると困つてしまふのだが。
社長との面談で、「上から目線」にならないやうに出來ますか、などと聞かれたのを思ひだす。
大丈夫です、そんな人生を歩んできてませんから。
さう答へたのだが、それでも、こいつは人を見下すに違ひないと思はれたのか。


これで、つひに、どこの企業にも應募してゐない状態となつた。
これは、再就職活動をスタートして以來、初めてのことだ。
完全プータロー、完プー状態だ。


希望を抱いてゐただけに、2つともアウトとなるとショックは大きかつた。
これまでにもまして、自分のキャリアの市場價値についての疑問が湧き上がつてきた。
20數年間、世間で云ふところの大企業に身を置き、專門性を深めつつもその部門全體の幅廣い經驗を積んできた。
また、ひとつのチームをマネジメントするポジションにも就いた。
しかし、求人市場は私のキャリアを評價しない。
部門全般にわたる經驗を積んでゐるけれども、それは殆どがスタッフレベルであり、マネージャー經驗はあつても、それは課長レベルで特定の業務範圍にすぎない。
つまり、かういふことだ。
私のマネージャー經驗のある「特定範圍」ではなく、もつと別の範圍のマネージャー經驗が欲しい。
もしくは、もつと幅廣い範圍をマネジメントした經驗が欲しい、といふことだ。

いまさら自分のキャリアを變へることが出來ない以上、私に出來ることと云へば、求める仕事の中身を變へるといふことだ。
組織マネジメントの要素を諦めて、スタッフレベルの仕事に就くこと。
もしくは、いつそのこと、給與所得者以外の仕事に就くこと。
前者は、これまでのキャリアから後退することだし、後者は大本營發表ではないが「轉進」することだらう。
そのいづれも、私にとつて、或る種の勇氣が必要だ。


この數日は、そんなこんなで思ひ惱みつつ、氣が付いたら深夜の空氣に包まれてゐるといふ状態だつた。
考へると壁にぶつかり、壁にぶつかると思考停止して漠然と思ひ惱む。
そのうちに叫びだしたくなつてくる。
自分が置かれてゐる現實に耐へられなくなる。

やうやく、なんとなく自分を瞞しおほせたのか、氣持ちが落ち着いた。
でも、縮こまつた自分を解放したい思ひがある。
氣晴し、ストレス發散。


ああ、京都に行きたい。
ぶらぶら散策して、夜には旨いものを喰つて、旨い酒を飮んで・・・
ひとはそれを現實逃避と呼ぶ。






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気分転換に (たかはし かずき)
2010-05-11 09:22:24
京都の安井金比羅宮さんはいかがでしょうか?

いわゆる『縁切り』『縁結び』の神様で、男女関係だけでなくかなり幅広いジャンルでご利益があるところです。

病気との『縁切り』、喫煙との『縁切り』、
就職活動での『無職との縁切り』『良い就職先のご縁結び』と何でもOK!(笑)

あたしも以前にタチ悪い職場との『縁切り』しました。
バッチシ切れましたよ 

こないだ行った時は『独身との縁切り』お願いしたんですが
(ああ、言うてしもた…)
こればっかりは神様も難儀してるようです 

あそこに展示されている落語家さん達の絵馬もなかなか面白いです。

八坂神社さんの近くですよ(でも結構歩くかな) 
返信する
あせらないことです。 (雫石鉄也)
2010-05-11 09:43:36
私は、今の会社に落ち着くまで5年かかりました。
あせらないことです。落ち込まないことです。
一人で活動していると、どうしても孤独でふさぎがちになります。
ハローワークのキャリア交流プラザなどに参加されてはどうでしょう。
http://zeusu1230.blogspot.com/2008/06/blog-post_23.html
同じ境遇の人ばかりですので。励ましあいながら、情報交換もできますし。良い友達もできます。私は、もう4年たちましたが、未だに交流はつづいています。仙丈さんにもお勧めします。
少し、お休みになったらどうでしょう。2日月ほど。ボーナスもらって辞める人がいますので、7月になれば求人する企業もあるでしょう。
私は、仙丈さんを常に応援します。
返信する
たかはし かずき さん (仙丈)
2010-05-11 17:39:28
どうもありがたうございます。
安井金比羅宮、じつは昨年11月に、それと知らずに行きました。
祇園を南へ歩いてゐて紛れ込んでしまつたのです。
あとから、阪神ファンのかんさいやさんに「縁切り」で有名だと教へて頂きて吃驚しました(笑)
「無職との縁切り」、いいですね!
今度はそのつもりでちやんとお詣りします。


返信する
雫石鉄也さん (仙丈)
2010-05-11 17:49:16
いつも勵まして戴き、ありがたうございます。
仰るやうに、ひとりきりでの活動ですので、思ふやうに物事がすすまないと、つひ孤獨感に苛まれて悶々としてしまひます。
「キャリア交流プラザ」參加してみようかなと思ひます。

>少し、お休みになったらどうでしょう。
けふ擔當のコンサルタントに相談したら、同じ提案をされました。
案件のないときは焦つてもどうしようもないので、のんびりしてはどうかと。

>私は、仙丈さんを常に応援します。
このお言葉で孤獨感から救はれる思ひがいたします。
ほんたうにありがたうございます。



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危機感も大切では? (吉岡家一同おとうさん)
2010-05-11 19:21:57
あえて、前のおふた方と違うことをコメントしたいんですが、危機意識を持つこともそれなりに重要ではないかと思います。
私の勤務する大学の4年生は、少し前の2-3年上の先輩を見ているからなのか、とってものんびりしていて、危機感は見られません。状況に応じた行動をすることも大切で、年配の方の職探しには参考にならないような気もしますが、私は「のんびりしていても何もいいことはない」とハッパをかけています。
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