そろそろヒゲ剃りの刃が切れなくなつて來た。
替刃も無くなつたので、きのふ(ああ、もう一昨日だ)歩いて10分ほどのスーパーに出かけた。
ところが、このスーパー、食料品や酒、ワインの品揃へは大したものなのに、日用品が少ない。
男モノに至つては潰滅的で、せいぜい男性が使へるシャンプーがあるだけ。
もちろんヒゲ剃りの替刃など置かれてゐなかつた。
しかたないので、けふ(きのふの7日)、最寄のコンビニに行くことにした。
私の家は、山の中腹と云つて良いやうなところにある。
コンビニは、いはば山の麓にあつて、クルマなら7分かそこらで行くことが出來る。
天氣が好かつたので、カメラを持つて、散歩がてら歩いて行くことにした。
クルマならバス通りを驛に向かつて下り、驛に出る手前で西に向かふのだが、これは遠囘りになる。
クルマで行けない細い道でも、徒歩なら行くことができる。
なるべく最短距離で行かうと考へた。
私の住んでゐる住宅地の下に、もうひとつ大きな住宅地がある。
ここはバス通りからは西に離れてゐるので、コンビニへ行く最短ルートはこの住宅地を突つ切るルートになる筈だ。
いまの家に住み始めてから16年になるが、これまでにこの住宅地の奧深くには足を踏み入れたことがない。
良い機會なので、ちょつとした探檢氣分で足を踏み入れた。
ここは古い住宅地らしく、道路が計畫的に整備されてをらず、ひとつひとつの道が狹い。
太い道でもクルマがやつと擦れ違へる程度で、細い道に至つてはクルマ1台がぎりぎり通れるかどうか。
しかも、行き止まりの道が多い。
私も2度、個人宅の前で行き止まりになり、Uターンした。
こんな雰圍氣、いつかどこかで經驗したことがある。
いつとき流行つたメイズ(迷路)だ。
細い道をさ迷ひ歩いてゐるうちに、迷宮に紛れ込んだやうな氣がしてきた。
西に向かふ道の向うに公園らしき緑が見えたので行つてみた。
もしかすると公園を中心として下へ降りる道が接續してゐるのではないか、さう思つたのだ。
行き着くとそこは確かに公園だつた。
降りる道もあつたが、その道の入り口にゲートがあつて、「この先は○○マンションの私有地につき立入禁止」。
念のため、ゲートを開けて少し降りてみたが、急な小道の下にマンションの屋根が見え、道はその中へと消えてゐた。
これでは山の麓まで拔けることは出來ない。
ふと目をあげたら、六甲の山なみ、甲山(かぶとやま)、そして寶塚から西宮、尼崎に至る平野が見えた。
なかなかの眺望なので寫眞を撮つてみた。
目を東に轉じると、こちらは大阪の市街地。
私が10數年、2社にわたつて勤務したビルも正面に見えてゐる。
プータローのいまとなつては、何もかもが懷かしい。
眺望を樂しんで公園に戻る途中に咲いてゐた萩の花。
秋の七草を詠んだ歌があつたなあ、と思ひつつ、思ひ出さうとしたが思ひ出せなかつた。
最近、かういふことが多過ぎる。
いまに神武から桓武までの系譜も思ひ出せなくなるかもしれない・・・
公園を出て、元の道を東のはうに戻る。
すると向かうの道をクルマが通るのが見えた。
ラッキー!
少なくともあの道は行き止まりではなささうだ。
その道を下つて行くと、麓の一歩手前と云つた樣子の東西の道に出た。
もちろん西へ向かつて歩いたのだが、その道は南北の道にぶつかつて行き止まり。
南へ下るはうを選んで歩いていつたら、またもや個人宅の前に出て行き止まり。
上へ登るわけにも行かず、元の東西の道に戻り、東へ向かふ。
すると、またクルマの姿が見えたのでその道まで行つてみたら、その道はコンビニの横に出る、いつもクルマで通る道だつた。
やつとコンビニに辿り着いた。
家を出てからちやうど40分。
暖かい日射が、いつの間にか暑く感じられて、コンビニの中が涼しかつた。
ヒゲ剃りの替刃を搜す。
ほんの小さな一角にそれはあつた。
しかし、それはメーカーが違つてゐて使へない・・・
ああ、おまへは何をしてきたのかと、吹きくる風がわたしに云ふ。
失意のうちに、家路についた。
來た道を引きかへした。
來る時は下りだつたから良いが、歸りは登り。
行きはよいよい歸りは怖い。
途中、もつとも急な登り坂がこの寫眞。
寫眞ではわかりづらいが、おそらく15度から20度程度の傾斜だらう。
スキーの中級ゲレンデをイメージして貰へれば、それに近いかもしれない。
もと山登りの私は、かういふ坂に出會ふと、頑張つてしまふ。
お蔭で、10月だといふのに汗だくになつてしまつた。
コンビニから家まで30分。
頑張つて登つた所爲か、行きより10分も短い。
行きは何度も迷つたし、寫眞を撮つたりもしてゐたので40分もかかつたのだらう。
登りで30分なら、下りなら20分ほどで行けるかもしれない。
結局、目的は果せなかつたが、身近にあるラビリンスを樂しむことが出來た。
道がわかつた今となつては、もう同じ樂しみを味はふことは出來ない。
ヒゲ剃りの替刃のお蔭で、一期一會の樂しみ、子供の頃のやうな冒險心が滿たされた。
でも、どこかで替刃を買はなくては!
<使用カメラ:Canon PowerShot G11>
替刃も無くなつたので、きのふ(ああ、もう一昨日だ)歩いて10分ほどのスーパーに出かけた。
ところが、このスーパー、食料品や酒、ワインの品揃へは大したものなのに、日用品が少ない。
男モノに至つては潰滅的で、せいぜい男性が使へるシャンプーがあるだけ。
もちろんヒゲ剃りの替刃など置かれてゐなかつた。
しかたないので、けふ(きのふの7日)、最寄のコンビニに行くことにした。
私の家は、山の中腹と云つて良いやうなところにある。
コンビニは、いはば山の麓にあつて、クルマなら7分かそこらで行くことが出來る。
天氣が好かつたので、カメラを持つて、散歩がてら歩いて行くことにした。
クルマならバス通りを驛に向かつて下り、驛に出る手前で西に向かふのだが、これは遠囘りになる。
クルマで行けない細い道でも、徒歩なら行くことができる。
なるべく最短距離で行かうと考へた。
私の住んでゐる住宅地の下に、もうひとつ大きな住宅地がある。
ここはバス通りからは西に離れてゐるので、コンビニへ行く最短ルートはこの住宅地を突つ切るルートになる筈だ。
いまの家に住み始めてから16年になるが、これまでにこの住宅地の奧深くには足を踏み入れたことがない。
良い機會なので、ちょつとした探檢氣分で足を踏み入れた。
ここは古い住宅地らしく、道路が計畫的に整備されてをらず、ひとつひとつの道が狹い。
太い道でもクルマがやつと擦れ違へる程度で、細い道に至つてはクルマ1台がぎりぎり通れるかどうか。
しかも、行き止まりの道が多い。
私も2度、個人宅の前で行き止まりになり、Uターンした。
こんな雰圍氣、いつかどこかで經驗したことがある。
いつとき流行つたメイズ(迷路)だ。
細い道をさ迷ひ歩いてゐるうちに、迷宮に紛れ込んだやうな氣がしてきた。
西に向かふ道の向うに公園らしき緑が見えたので行つてみた。
もしかすると公園を中心として下へ降りる道が接續してゐるのではないか、さう思つたのだ。
行き着くとそこは確かに公園だつた。
降りる道もあつたが、その道の入り口にゲートがあつて、「この先は○○マンションの私有地につき立入禁止」。
念のため、ゲートを開けて少し降りてみたが、急な小道の下にマンションの屋根が見え、道はその中へと消えてゐた。
これでは山の麓まで拔けることは出來ない。
ふと目をあげたら、六甲の山なみ、甲山(かぶとやま)、そして寶塚から西宮、尼崎に至る平野が見えた。
なかなかの眺望なので寫眞を撮つてみた。
目を東に轉じると、こちらは大阪の市街地。
私が10數年、2社にわたつて勤務したビルも正面に見えてゐる。
プータローのいまとなつては、何もかもが懷かしい。
眺望を樂しんで公園に戻る途中に咲いてゐた萩の花。
秋の七草を詠んだ歌があつたなあ、と思ひつつ、思ひ出さうとしたが思ひ出せなかつた。
最近、かういふことが多過ぎる。
いまに神武から桓武までの系譜も思ひ出せなくなるかもしれない・・・
公園を出て、元の道を東のはうに戻る。
すると向かうの道をクルマが通るのが見えた。
ラッキー!
少なくともあの道は行き止まりではなささうだ。
その道を下つて行くと、麓の一歩手前と云つた樣子の東西の道に出た。
もちろん西へ向かつて歩いたのだが、その道は南北の道にぶつかつて行き止まり。
南へ下るはうを選んで歩いていつたら、またもや個人宅の前に出て行き止まり。
上へ登るわけにも行かず、元の東西の道に戻り、東へ向かふ。
すると、またクルマの姿が見えたのでその道まで行つてみたら、その道はコンビニの横に出る、いつもクルマで通る道だつた。
やつとコンビニに辿り着いた。
家を出てからちやうど40分。
暖かい日射が、いつの間にか暑く感じられて、コンビニの中が涼しかつた。
ヒゲ剃りの替刃を搜す。
ほんの小さな一角にそれはあつた。
しかし、それはメーカーが違つてゐて使へない・・・
ああ、おまへは何をしてきたのかと、吹きくる風がわたしに云ふ。
失意のうちに、家路についた。
來た道を引きかへした。
來る時は下りだつたから良いが、歸りは登り。
行きはよいよい歸りは怖い。
途中、もつとも急な登り坂がこの寫眞。
寫眞ではわかりづらいが、おそらく15度から20度程度の傾斜だらう。
スキーの中級ゲレンデをイメージして貰へれば、それに近いかもしれない。
もと山登りの私は、かういふ坂に出會ふと、頑張つてしまふ。
お蔭で、10月だといふのに汗だくになつてしまつた。
コンビニから家まで30分。
頑張つて登つた所爲か、行きより10分も短い。
行きは何度も迷つたし、寫眞を撮つたりもしてゐたので40分もかかつたのだらう。
登りで30分なら、下りなら20分ほどで行けるかもしれない。
結局、目的は果せなかつたが、身近にあるラビリンスを樂しむことが出來た。
道がわかつた今となつては、もう同じ樂しみを味はふことは出來ない。
ヒゲ剃りの替刃のお蔭で、一期一會の樂しみ、子供の頃のやうな冒險心が滿たされた。
でも、どこかで替刃を買はなくては!
<使用カメラ:Canon PowerShot G11>
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