仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

映畫 『ネコナデ』 を觀た

2011-02-20 19:07:20 | ドラマ、映画
日本映畫專門チャンネルで 『ネコナデ』 を觀た。

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主人公は、大杉漣演じる人事部長で、彼は社長の命令により多くの社員をリストラする立場。
第2新卒の導入研修では、40kmウォーキングや、驛前で社歌を歌はせるなどして、新入社員たちに嫌はれる役目も果してゐる。
じつにタフでストレスフルなミッションを遂行する、一見すると冷徹な印象を與へる企業人だ。

そんな彼が、1匹のトラ猫の仔猫を拾ふ。
仔猫を飼ひたいと家族に言ひだせない彼は、新人研修の宿舍して借りた賃貸物件の1室で猫を飼ふ。
自社製品の監視ロボットを使つて、携帶電話で猫の樣子をチェックするほどの入れ込みやうだ。

一連のリストラの最後に、同期の社員にリストラを宣告。
新人研修も無事に終了し、最初は反撥してゐた新入社員たちも、研修を受けて視野が擴がつたと感謝する。
主人公は、自分のミッションを完了して、社長に會社を辭める旨を告げる。

ラストシーンは自宅の前。
仔猫を懷に抱いて云ふ。
「さあ、行かうか」

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かつて、新人研修を擔當してゐた頃を思ひ出した。
この映畫ほどのことはさせてゐなかつたが、それでも新入社員たちには蔭で嫌はれてゐたやうだ。
イヤな役割だつたが、それが新入社員たちの役に立つのだと信じて仕事をしてゐたものだつた。
人に嫌はれることは、それが仕事とはいへ、辛いものだ。
しかも、この主人公はリストラさへしなくてはならない。
そんな時に、ネコに瘉しを求めるのは、じつに自然だと思ふ。
トラ猫の仔猫のかはいいことと云つたら!

六角精兒扮する獸醫に仔猫の名前を訊かれて、トラと答へる主人公。
主人公の名前は鬼塚なので、鬼塚トラくんになつたわけだ。
獸醫が云ふ、「強さうな名前ですな」
この名前とトラくんの愛らしさのギャップがまた良かつた。

トラくんがひとりではかはいさうだと考へて、ネコオークションでヒマラヤンの仔猫を落札。
喫茶店で出品者から猫を受け取るのだが、これがヒマラヤンらしからぬミックスで、しかもかなりでかい。
まるで、『ホワッツ マイケル』に出て來た「ニャジラ」のやう。
こんなネコのどこがヒマラヤンの仔猫だと憤るが、出品者はその猫を置いて逃亡。
こんな詐欺もあるのだ。
主人公が、ヒマラヤンのことをヒラヤマンを云つてゐたのがをかしかつた。
猫のことに疎い人なら、そんな云ひ間違へもありさうだ。

映畫の最後に、キャストが流れるが、
「鬼塚トラ」のところは「トラ」になつてゐた。
もしかしたら、動物プロダクションにトラといふ仔猫がゐたのかもしれない。
ちなみに、あのヒマラヤンもどきの猫の役名は「ヒラヤマン」だつた。
こんなところにも、結構うけてしまつた。




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