仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

【昔の手帳から】 10月11日 (80年:近鐵後期V、81年:鹿島槍ヶ岳)

2011-10-11 00:05:18 | 昔の手帳から
【1980年】(1囘生)

9:00 京阪三條驛前
藤井寺(近鐵10-4西武)、近鐵後期V
快擧!出町柳~下宿(徒歩42分48秒)

土曜日。
朝早くに三條京阪の驛でモギと待ち合せた。
行き先は、藤井寺球場。
近鐵ファンでもない私にとつて迷惑千萬なことではあつたが、近鐵ファンのモギに強引に誘はれた。
この試合に勝てば近鐵の後期優勝が決まるのだとか。
「近鐵の優勝する瞬間を見たいだろ?」
「いや、べつに」
「遠慮するなよ」
「はあ?」
近鐵藤井寺驛から商店街を拔けたところに球場があつたやうな記憶がある。
なにせ私が藤井寺球場に行つたのは、この時が最初で最後。
京都・岩倉からどれだけ遠かつたか。
試合のはうは近鐵が勝つて優勝を決めた。
たしかに優勝が決まる瞬間をナマで見たのはこれが最初だつたし、野球ではこれが最後だ。
阪神の優勝した瞬間を球場で見られるのは、いつのことだらう。

おぼろげな記憶だが、梅田で祝杯をあげた氣がする。
歸り、醉ひ醒ましに、出町柳から岩倉のアパートまで歩いた。
所要時間は42分48秒。
私がこの記録を破ることは、もう絶對にない。(あたりまへか)



【1981年】(2囘生)

冷池 鹿島槍 冷池 扇澤

日曜日。
前日、扇澤から爺ヶ岳に登り、冷池にテントを張つた。
さすがに10月の北アルプスの稜線だけあつて、夜は冷え込んだ。
夜中にサラサラといふ音を聞いた。
テントに雪が降る音だ。

朝起きてテントから出たら、夜中に降つた雪が薄く積つてゐた。
前日はガスで視界がきかなかつたのだが、一夜明けると快晴。
黒部峽谷を隔てた彼方に、新雪の劒岳がその勇姿をみせてくれた。
私はかつて 劒岳のすぐ近くまで行きながら登れなかつたこと があり、それ以來、劒岳は私の憧れの山となつた。
その劒岳の雄々しい姿を目の當たりにして、私は感動した。
その反對側、つまり東側に目をやると、雲海のかなたから太陽が昇る御來光。
天氣が恢復してほんたうに良かつた。

テントはそのままにして、サブザックに必要なものだけつめて、鹿島槍ヶ岳に向ふ。
これと云つて困難なところもなく、鹿島槍南峰に到着。
頂上からのパノラマは素晴らしかつた。
北は五龍、唐松、白馬。
西は劒、立山。
西南は藥師、黒部五郎。
南は槍・穗高連峰。
南東は南アルプス、八ヶ岳、はるかに遠く富士山。
2889mHの山頂はこの南峰なので、北峰には登らずにそのまま引き返した。

冷池でテントを撤收し、前日登つて來た道を反對に辿る。
種池から扇澤へ下り始めてすぐに、犬が登つてくるのに出會つた。
さすがは人氣の鹿島槍、ワンコまで登るのかとビックリした。
愛犬を連れて山に登る人がゐるらしい。
犬を小屋に入れるわけにはいかないだらうから、テント泊なのかもしれない。

この日は松本まで歸つて、カタバミの下宿に泊めて貰つた。



【1982年】(3囘生)

モギと酒

月曜日(振替休日)。
前々日 Hと飮み、夜中にHの家まで送り、Hの家に泊めて貰つた。
その際、Hの父君に叱られ、反撥して失禮なことを云つてしまつた。
たぶん、そのことをモギに話して、相談に乘つて貰つたのだと思ふ。



【1983年】(4囘生)

ロストロ&リヒテル/ブラームス:Vc Sonata 、グリーグ:Vc Sonata
リヒテル/ベートーヴェン:Pf Sonata No.11、19、20

火曜日。
レコードを2枚買つた。
ロストロとリヒテルのレコードは買つた記憶すらない。
ブラームスのチェロソナタは、ロストロ&ゼルキンのものなら買つた記憶があるのだが・・・
グリーグのチェロソナタとなると、手帳の記述を見るまで、そんな曲があることすら覺えてゐなかつた。
ほんたうにこのレコードを買つたのかどうか怪しいものだが、200枚ほどあるLPを改めて調べる氣にはならない。
リヒテルのベートーヴェンは調べるまでもなく間違ひなく買つてゐる。
11番のソナタはカセットテープに落として、よく聽いてゐた。
いまアマゾンで檢索してみたが、殘念ながらこのレコード(CD)は見つからなかつた。






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